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2001年08月17日(金) ノンビリ。

朝早く、目が覚めた。
やすくんは私より早起きだったみたいで、
ニコニコ笑顔でこっちを見てるのに気づいた。

「寝顔見られちゃったよ。いつも私の方が早起きだから
 安心してたのに」

そこにやすくんがいることが、
今日は「行ってらっしゃい」を言わなくてもいいことが、
すごく嬉しかった。なんだか安心できた。
ほんとは、もっと気のきいたことが言いたかったのに、
そんなことをつぶやいたと思う。

「そんな。いつも見てるよ。俺」

私、バカだ。
心の中でつぶやいて、照れ隠しで笑ってみる。
やすくんも笑う。

やっと一緒にいられるね
今日はずっと一緒だね

カーテンの隙間から太陽の光がこぼれてる。
それすら大切で、嬉しい。

「天気がいいから、どこかドライブしようよ」

聞こえないフリして、寝転がったまま一緒にテレビを見る。
しばらくすると、やっぱり。
やすくんの寝息が聞こえてきた。


ずっと忙しかったもんね。
これまで頑張ってきたからね。


そっとお布団を抜け出す。
そーっと、そーっと。

暑がりのやすくんのために、玄関のドアを開ける。
今日も気持ちのいい風が吹き抜けてくれる。
いい天気で良かった。
いつも通り、洗濯。いつもの洗濯物のほかに、
なかなか洗えなかったカーテンも洗う。
こんなとき、部屋に洗濯機がなくてよかった。


明日は、もう帰るんだから。


ここに来る前に考えて、
でも、思わぬやすくんの実家での生活もあって
できなかったいろんなことを、
やすくんが寝ている間にやってしまおう。

洗濯や掃除、
忙しいやすくんがなかなかできないことを。
疲れて帰ってきたやすくんを、
私の変わりに迎えてくれるこの部屋が
居心地良くなるように。

やすくんが起きない様に気をつけながら、
一通りの仕事を終えて、
コーヒーを入れて一息つく。

「…ん? コーヒー入れた?」

香りのせいだろうか。やすくんが目を覚ます。
音を出さないように気をつけていたが、
まさか、香りで目を覚ましちゃうとは…
時計はもうすぐ11時。

「寝過ぎちゃったよ。
 せっかく一緒にいられるのに、ごめん」

いいんだってば。
こうやって過ごすことが、嬉しいんだからさ。

やすくんがシャワーを浴びて、着替えてる間、
急いで布団を干す。
わずかな間でも、太陽の光を浴びた布団で
疲れをとって欲しいから。

「よし、じゃ、出かけよう」

今日は楽しいね。
ずっと一緒だからね。






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