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2005年02月26日(土) 変の基準

久々に、友達と逢った。

いつもとは違う路線に乗ったのだが、隣の座席に座ったのが、両親と子供三人の家族連れ。
まあ、子供たちは泣かず、はしゃぐ声も許容範囲だった。
あー、なにか本持ってくればよかったなぁ……と、思っていると、隣の子供たちの目が、きらりーん、と光った。
なんだろう、と思って、視線の先を見ると、ロングコートのおじさんが、襟巻きを……違った。
昔、よく見た、こんな感じのマフラーをしてるのかと思ったら、生きたフェレットを懐に入れていた。

「かーわーいー!」

子供たちが喜ぶのを見て、おじさんはにこにこ笑いながら、懐から、今胸元にいるフェレットの写真を出して、乗り合わせた人たちに見せはじめた。

「この服もね、売ってないから、自分で材料買って来て、作るんですよ」

そのフェレットは、豹柄の帽子に、赤いおべべを着ていた。

「今日は寒いから、家に置いて来ようと思ったんだけどね」

おじさんの、懐の中が暖かいらしく、フェレットはよく眠っている。

「こいつを連れて歩いてると、よく、ぬいぐるみに間違えられて、服の中にぬいぐるみ入れてる変なおじさんだと思われちゃうんですよ」

……フェレットを服の中に入れて電車乗ってるのも、かなり変だと思うが、そう突っ込む人は皆無であった。


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