病院にリハビリに行く前に、古本屋に寄った。
「そうですねぇ。ジャンプ系で、他の作品はともかく、そのふたつは、いつ頃入ってくるか…………」
文庫本を物色している傍で、女性の店員が他の客と、「ヒカルの碁」や「テニスの王子様」の入荷状況を語っていた。 そして、突如、脈絡もなく、
「殺すぞ、ガキ!」
その瞬間、小学生くらいのガキが目の前を通り過ぎて、店から出て行った。
唖然として、店員を見た。 彼女は今まで話してた客に向かって、
「ああいう子供には、大人としてこれくらい言っておかないと。後々のためにも」
あの子がなにをやらかしたのかは見てなかったが、驚いた。 なにより、そのまますぐにジャンプ連載作品の話に戻って行った客にも驚いた。
リハビリ後、今度は普通の書店に入ったら、牛の着ぐるみを着たスキンヘッドに顎髭を生やしたお兄さんが立ち読みしていた。 罰ゲームか?
結局、捜していた本は見つからず、夕食の買い物をした後、家の前の駐輪場に自転車を停めていると、若い女性が、その辺のゴミを蹴飛ばしつつ、ひとりなにか絶叫していた。
……今日は一体、なんの日だ?
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