2004年05月05日(水) |
たとえばなしPART2 |
「らるごおねえちゃん、早くパパとかママとか、おにいちゃんとか、わたしとかと同じ服を着てね」
と、この知人の子供に言われた。 パパに、わたしにそう勧めろと言われたのか、それともパパやママが常々そういうことを話しているからか、或いは、心の底から、わたしとおそろいで歩きたいのかは判然としない。
が、考える前に、思わず反射的に、
「やだ」
と即答してしまった。
「どうして?」
と、問われたので、
「どうして嫌なのかは、五年後に説明するからね」
と、言っておいた。
その子は、指を折って、
「えーと、5年たったら、そのとき、わたし、14さいになっちゃうよー」
うーん。十四歳か。 世の中には、いろんなサイズとデザインの服があり、人にはそれぞれ好みというものがあり、どんな服を着てもいいし、親に買ってもらった服であろうとも、着たくなければ着なくても構わないのだ、ということを理解することが出来るようになっているだろうか。 それが判れば、再び同じ問いを発することはないだろう。
今の彼女には、五年後は遙か遠い未来であるようだが、十年後と言っておけばよかったか。
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