前夜、「朝まで生テレビ」を途中まで漫然と見て、三時過ぎに就寝。 昼過ぎに、のんびりと起き出して、二時頃から夜勤前のランディと共に、遅い昼食を取っていた。 夕方、家を出るランディが、もうひと眠りする前に、競馬中継を見始め、ハルウララがまた負けた話とか、最近、変な名前の馬多いよなー、などと、どうでもいい話をしていたときに、わたしは、ふと思い出した。
「あ、そうそう。オフ明日だ。行ってくるね」
「おー、行って来い」
確認のために、カレンダーを見て、固まるわたし。 今日は……土曜日?
「……今日、二十六日だったよね?」
「馬鹿二十七だよ」
「うわあああああああああああああああ!オフ、今日だったーーーー!!!!」
「何時から?」
「……十時……」
「朝の?」
無言で頷くしかないわたし。
「アホだろ。おまえ」
ランディは正しい。
即刻、幹事に電話する。
『なにをしておるかー!』
「い、今から、参加させていただいてよろしいでしょうか?」
『みんなー、喜べ、此処はらるごの奢りらしいぞー』
「うわああああああ!ご勘弁をー」
『六時頃まではカラオケボックスにいるけど、何時に来る?』
「一時間以内に」
『よーし。一時間だな。それを一分遅れる毎に百円な』
「了解しました!」
そっからが大変であった。 服を着替えて、出かけようとしたら、鍵を忘れ、鍵を持って出かけようとしたら、携帯を忘れ、ああ、そうだ。お詫びにみんなになにか差し入れを。最近発見したあのケーキ屋さんのケーキを、と思い、ケーキナイフをがちゃがちゃ出していると、ランディが、
「カットしたのを買ってけばいいだろうが」
普段は、ランディのボケに、わたしが突っ込むのだが、こういうときは攻守が交替する。
「あああああ!でも、せっかくだから!」
と、わけの判らないことを言いながらバッグにナイフを仕舞い、ダッシュで家を出て、ケーキを買って待ち合わせ場所に行ったら、大遅刻の理由を尋ねられ、正直に話したら、大爆笑された。 もう、ひたすら低姿勢で謝ったら、
「いつも男前のらるごが、えらい謙虚だー」
と言われた。
…………作戦名・不可能さんだけでなく、此の集団の中でも男前と認識されていたのか。
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