アリアは「ガラスの仮面」にがっつりはまっている模様。
判らんでもない、と、同世代の女性ならば思うのではなかろうか。 が、如何せん、最早、あれを純真に楽しめるほど可愛くは無く、さりとて、もーどーだっていいやー、と言ってしまうことも出来ない。 登場人物全員に対して、「おまえらええ加減にせい」と突っ込みつつ、時にスポ根的、時にメロドラマになる展開に釘付けになる。 「こんだけ伏線張り倒してくれたけど、どう収拾つけんだよ、え?こら!」と言いたい状況のまま、停滞する長編漫画。
願わくば、わたしがこの世にいる間に完結してほしいと思う。
が、「ガラかめ」以上に長編だが、絶対終わってほしくない少女漫画がある。 「パタリロ!」である。 実は、わたしは、かつて、ファンクラブに入っていたほどの魔夜峰央ファンである。 現在の、わたしの嗜好を作ったのは、魔夜作品なのでは無いかとときどき思う。 中学生の悲しさで、今思えば、本当に良心的だった会費が払えずにやめてしまった……とか、書くと、歳がばれるが、気にしないことにしよう。
悪魔、妖怪、ナンセンス・ギャグ、落語、江戸時代、パロディ、ミステリ、倒錯、ラブストーリー…… いろんなものが山盛りで、「ガラスの仮面」や「王家の紋章」が、作者の興味や知識が別方向を向いたためか、なんや訳の判らん状態になっているのに比べ、「パタリロ!」は何故かこんだけ盛りだくさんなのに、違和感無くつづいている。 パタリロのしたたかさや、ケチさ加減、人をおちょくるためには決して手間暇を惜しまないところはそのままだが、バンコランやマライヒは、登場時からは考えられないほど所帯じみてしまっているのに。 違和感を感じないのは、登場人物たちが、変わっても、根底を流れる耽美とギャグとサービス精神が変わらないからだろうと思う。
実家には、40巻かそこらくらいまで揃っていたはずだが、わたしが嫁いだ後、両親は引っ越してしまったので、最早処分されてしまっているだろう。 出版コードに触れる表現があったため、後に初期作品に差し替えられてしまった「マリネラの吸血鬼」が含まれる4巻もあった。 やはり、結婚するときに持ってくるんだった。 もう一度揃えたいのだが、場所を取る。 文庫も出ているが、あれはあくまで「よりぬき」である。 やはり、どうせなら全部読みたい。(当然、許されるなら4巻は新旧両ヴァージョン欲しい)
ので、文庫版「パタリロ!」を買うのはやめて、今日は「アスタロト」1巻を買った。 面白い。 気がつけば、この「アスタロト」も、初出から10年以上も経った作品で、下手すると風化しそうなファミコンだの、スーパーファミコンだのというネタを使っているというのに、ちゃんと面白いのだ。 そして、なにより。
絵がめちゃくちゃ綺麗である。
扉絵や、2ページ使って描いたサバトのシーンなんかはためいきものである。 気合入ってるなぁ。好きなんだなぁ、悪魔ものが。 うんうん。わたしも好きだ。昔からこの雰囲気が。 魔夜作品だなぁ。あちこちに薔薇が咲いてるよ。 トーン殆ど使ってないよ。凄いなぁ。
来年、無事引越が出来たら、本棚新しく買って「パタリロ!」を全巻揃えたいものである。
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