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2003年07月15日(火) 接着剤

数日前、茶壷(中国茶用の急須)の蓋を割ってしまった。
普段は、ものには執着は無い、と言って憚らない人間ではあるが、これは痛恨の極みであった。
べつに、高価な茶器であったというのではない。
では、なにをブルーになっているのかというと、中国茶の楽しみには、「養壷」というものがある。
いや、わたしは、「あるそうである」くらいの表現にしておいた方がいいくらいの初心者なわけなのだが、初心者なりに、本を読んだり、ネットを彷徨したりして、手入れをしていたのである。
手入れと言っても、べつに、大層なことはしていない。


使った後は水洗いして乾かしてから仕舞う。

ときどき、余ったお茶を指につけて撫で撫でする。

たまに乾いた布で磨く。


まめな方ではないので、頻繁にはやらないが、それなりに、買ったばかりの頃よりは、茶渋を吸って艶も出てきていたのである。
蓋の上の珠が取れただけで、簡単にくっつきそうなのであるが……







まずは、陶磁器の修繕といえば「金継ぎ」であろう。
欠けたり、割れたりしたところを漆でくっつけて、継ぎ目に金粉を蒔くらしい。
興味はあったので、自分で出来ないものかと考えたが、高っ!!
それに、漆を使うのは、やっぱり怖い。
で、金継ぎを請け負ってくれる職人さんを探したが……近くには無い上に、キットを買ったり、習いに行ったりするほどでは無いが、それでも、同じ茶壷が買えるほどかかる。

しかし、写真のような割れ方なので、陶磁器用ボンドでも、元通りにはなりそうだ、と思って検索をかけてみた。

が、口に入っても大丈夫な接着剤は見つからない。

それどころか、含まれる化学物質のカタカナの羅列に、いろんな意味で頭痛が。

いい。もういい。
これは、アロンアルファでくっつけて、使わず飾っとくことにする。


が、もういいと投げてしまえない問題もある。
検索する間に、可塑剤、酢酸ビニルモノマー、アミン類、アクリル酸エステルモノマー……などという、馴染みは無いが、なんか凄く身体に悪そうな化学物質の名前に行き当たる。
実際、凄く身体に悪いようで、発癌性だの、神経毒性だのがあるという。
これらは、住宅の壁紙などに使われる接着剤であるらしい。
わたしたちは、これから、家を持とうとしている。

茶壷の蓋に使う一滴より、これは深刻であろう。


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