2003年05月27日(火) |
「太陽と月に背いて」 |
ランボーと、ヴェルレーヌの愛と背徳の日々を描いた作品である。 主演は、美少年時代のレオナルド・ディカプリオ。 一番印象的だったのは、 以下、ネタバレ御免。
禿で髭面のオッサンのヴェルレーヌが受で、十六歳の天才少年という設定のディカプリオ演じるランボーが攻か!!!
……いかん。つい、専門用語が出てしまった。
いや、もう、これが一番驚いた。 実は、ヴェルレーヌは映画中では二十七歳だったこと。 ヴェルレーヌのとんでもないDV男ぶり。 物凄く、綺麗に綺麗に撮られたディカプリオ。 その綺麗さをぶち壊し、コントラストを強調したかったのだろう、無作法な放尿シーン。 そして、芸術家ふたりの苦悩。
それらが、全部ぶっ飛んだ。
しかし、映画が進むにつれて、ヴェルレーヌが受であることに、違和感が無くなって行った。 なんせ、映画の中の、禿げたオッサンのヴェルレーヌは、めっちゃくちゃ、優柔不断なのである。 詩人として行き詰まり、資産家の、美しい妻も捨てられず、傍若無人で、生活力の無いランボーに傷つき、苦労させられつつも離れられない。
芸のためなら女房(ヴェルレーヌ)も泣かすそれがどうした文句があるか、と言う態度のランボーの方が男らしい。
さっき、馬鹿でかい字で書いてしまった、ヴェルレーヌが受、という衝撃シーンを、かなり早い段階で見てしまったので、後が間延びしてしまった感がある。
いや、そんなことを引きずる方がどうかしてるんじゃないかとも、思わないでもないのだが……
ヴェルレーヌが、ランボーの余りの無体に腹を立て、彼から去って行こうとするところが、もう少しドラマチックだったら、もうちょっと面白かったかもしれない。
「僕が悪かった!ひとりでは暮らせない!」
と号泣するディカプリオを、もうちょっと長めに見たかっただけ、とも言えるかもしれない。
……一応、芸術作品なんだろうから、こんな見方はどうかと思うのだが、でも、最初の衝撃のせいで、こんな見方しか出来ない。
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