GWということもあって、ランディと共に昼夜逆転した生活をしている。
午後一時、惰眠を貪っていると、電話が鳴った。 受話器を取ると、子供の騒ぐ声が聞こえる。 ああ、GW中の一日か二日、ランディの実家に遊びに行くことになってたな。 甥と姪が待ちきれずに電話してきたか、と思いつつ、「もしもし?」というと、早口の女性の声が聞こえた。 なにを言っているのか聞き取れない。
「…は?」
相変わらず子供の騒ぐ声が聞こえる。 どうやら、半分寝ているせいで理解できないのではないらしい。 相手は外国語を話している。
「えーーー…あーーー……」
一瞬、友人が、ふざけているのかもしれない、とか考えた。
「こちらK県警です。奥様でいらっしゃいますか?御主人の身柄をこちらで確保しております。大変申し訳ありませんが、今すぐ引き取りに来ていただけますか」
などという心臓に悪い電話をかけてきたことのある友人が、バイリンガルだったはずだ。 が、よく聞いてみると、英語ではなく、お仏蘭西語らしい。
「あろー?どぅぶじゅるぐぐる(意味不明)。あろー?じゅぼぼぼぼぶぶる(人名らしい)?」
「ふーあーゆー?うーーー…あー……あいむ……いや、ひあいずじゃぱん」
と言うと、前触れも謝罪の言葉もなく切れた。 豪快な間違い電話しといてそれかい。
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