「春眠暁を覚えず」と言った人は、実は花粉症だったんじゃないだろうか、などと思う。 くしゃみも鼻水も出ないけど、やたらと眠くて目が痒い。 元々、余り出歩かない方でもあるし、この時期は陽が落ちるまでは外に出ないことにしているが、それでも、しょっちゅう目をこすっている。
わたしの場合、症状が軽いせいで、花粉症相手なら割と与しやすいのだが、別件の攻防がある。
ランディが今、限定版の「超合金魂・ブラック大空魔竜ガイキング」が欲しいと言っている。 子供の玩具と侮る無かれ、これは対象年齢15歳以上、値段が11000円である。
「アホか」
と、ひとことで却下――したのだが、粘る粘る。 少しでも安く買えないかと密かにヤフーオークションも検索かけてみたが、最低金額が定価である。 発売されて間もないし、プレミアつく可能性も高いものだけに、安く買えないのも仕方ない、というか、これから高くなることはあっても安くなることはないらしい。
そこで一計。
「やめろとは言わない。酒を控えろ。晩酌を500ml缶1本で我慢しろ。ビールでも酎ハイでも他のカクテル類でも、なんでも好きなもの飲んでいいから、1日1本に抑えろ。そしたら買ってもいい」
現在、ランディの節酒の努力目標は1日3本(守れたことの方が少ないが)。 1本200円として、1日400円×7で、2800円家計に貢献すれば買ってもいい、と提案してみた。
酔っ払っていても、と、いうか、酔っ払っているからこそ、「それは無理」と言い、
「せめて3本!」
と、既にその倍以上の数の空き缶を並べた前で言う。
「あかん」
「限定だぜー。プレミアつくんだぜー」
「ついたって絶対売らない癖に」
その系統の雑誌のページを開いて、その素晴らしさを説いたって、わたしには理解不能な世界なのだ。
とりあえず、保留。 明日、ランディが素面になってもから更にこの攻防はつづくであろう。
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