初夢は、ランディの実家の家の前の水道で、狐が水浴びしている、という意味不明なものだった。
二日から五日まで、ランディの実家で過ごした。
二日。
甥と姪に、七五三祝い、クリスマス込みのプレゼントとして、お年玉と別に、ゲームキューブとピクミンを持って行く。 「すっげー!すっげー!すっげー!!」と喜ばれ、ランディ御満悦。 メモリーカードが入手できないまま(近所のコンビニにも置いてなかった)甥と姪がコントローラー奪い合いながらピクミンをプレイするのを観戦。 うーむ。なかなか面白い。 ランディは、子供たちに「よかったねー。それ、だれに買って貰ったの?」と何度も尋ね、「ランディ兄ちゃん」と答えさせ、「そうかー、良かったなー」と撫で回す。 この酔っ払い。
三日。
初詣に誘うも、ランディが起きない。 典型的寝正月。 甥と姪はピクミンに興じ、わたしはつまんねーテレビを観賞。
四日。
ランディのお兄さん一家が家族旅行のため帰って行った。 一気に静かになる。 ランディのお母さんと一緒に銭湯のサウナで汗を流す。 「俺は行かねぇ」と、ランディは、うち風呂に入る。 はいはい。勝手にしろ、と言い、風呂上りのわたしが夕食を作ろうとしていると、風呂場から呼ぶ声。 行ってみると、脱衣所でランディが困惑している。 「どうした?」と尋ねると、「あれ」と、風呂場を指さす。 見ると、風呂の蓋の上で猫が座っている。 「あれがどうした?」と尋ねると、
「どいてって言ってんだけど、どいてくれない」
……見た目標準サイズのあの猫が実は50kgくらいあって動かせないから手伝えとでも言うのか。
「邪魔ならどかせばいいだろう」
「だって、嫌われるじゃないか」
「じゃあ入るな」
「入りたい」
「だったら抱き上げて風呂場から出せばいいだろう」
「引っ掻かれるもん」
抱き上げるまでもなく、ちょっと触ろうとしただけで、猫は逃げ出した。 貴様、わたしなら猫に嫌われようが引っ掻かれようが構わないというのだな? と、いうか、その気遣いを他で見せてみろ。
五日
帰還。 月曜は、ランディの仕事始めである。 あっという間の正月休みであった。
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