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書くほどのこともない日常
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2001年11月04日(日) たまってたツケを払ってみた

少し前の日記を読み返すと、「冠婚葬祭除いては、数年ぶりに女装して歩いた」というような内容のことを書いてあった。

ふと、今、冠婚葬祭等の、女装しなければならない用事が出来たら、と考えて、洋服箪笥を開けてみた。
黒のスーツと、コートがあるだけで、あとは、フライトジャケットだの、ポロの赤のチェックのシャツだのしかない。
黒のスーツは、喪服として買ったやつなので、いきなり不幸があっても、とりあえずは大丈夫だろう。
が、しかし。
普段使っているメイク道具は、リップグロスとマツモトキヨシで買ったアイブロウのみ。
その他の化粧品を入れた箱は、押入の奥。
引っぱり出しても、化粧品には製造年月日が書いてないし、消費期限もよく判らない。
大体、普通は、買ったらその日から毎日使っているうちに、無くなるものなのだろう。
が、普通でないわたしは、これらを、最後に使ったのがいつなのか覚えていない。
少なくとも、年単位で手に取ってないのは確かだ。

……怖くて使えない。

と、いうことで、「無添加自然派」が売りの化粧品を扱ってる店で、マスカラとファンデーションを選び、アイシャドウとチークも兼ねるという優れものの白粉もゲット。
ついでに、ヘアムースを買い、手近にあったマニキュアを見てみる。
わたしの爪は、柔らかすぎて伸ばしたらすぐ割れてしまうのだが、地味でごく普通の色のを一本選んだ。
そしたら、ちょっと奇抜な色のが欲しくなって、緑色のマニキュアも買ってみた。
と。忘れるところだった。
化粧をしたら、落とさなければならないではないか。
クレンジングがいる。
化粧水だの、乳液だの、美容液だの、パックだのも、クレンジングと一緒に並んでいて、うがー!と叫びたくなった。
「女」やるって、こんなに大変だったのか。
かつては、毎日やっていたことが、途方もない苦行に思える。
しかし、この店は、「安さ」も売りのひとつなので、通常、テレビのコマーシャルで見るような化粧品を揃えることを思えば、十分の一の値段だったのが救いだ。

こうなったら、思い立ったが吉日ということで、「女」をさぼっていたツケを一気に払ってしまおうと、帰り道、最近出来た美容院に閉店間際に滑り込んで、髪をカットしてもらう。
深い意味もなく、美容院が好きでないので、切らなかったために、気がついたら腰まで伸びてた髪を、20センチばかり切って貰う。
肩が軽くなった。
しかも、この美容院、「ブローを御自分でしていただけるスペースがお二階にございまして、そちらを御利用なさいますと、1000円割引になります」とのこと。
自分で髪を乾かしたあと、前髪を少しすいて貰い、開店記念の粗品を貰って家路についた。
今、自分で髪を染めている最中である。

やっぱり、「いつもニコニコ現金払い」って言葉は正しい。


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