2001年09月26日(水) |
妻が禁酒を決めたその日、夫は。 |
昨晩、マッサージに行った後、晩飯食べて日記書いて、即寝た。 幸せな睡眠を得られる夜のはずであった。
が、夜中にやかましくて目醒めた。 ランディが、どうやら高校時代の後輩のところに電話しているようだが、意味不明なことを言っている。 ……こいつ、また酔っぱらってるな、と思い、受話器を取り上げた。
「ごめんなさい。酔っぱらいの相手させて。気にしないでねー」
と謝ったら、人の良い後輩くんは、
「あ、ども。お久しぶりです。お元気ですか」
などと礼儀正しく挨拶してくれた。 ああ、実によい人だ。 通話時間を見てみると、既に60分以上話しているらしい。 時間は丁度二時。 草木も眠る子の刻から丑三つ時まで寝かせてもらえなかったのか。 気の毒に。 ごねるランディに受話器を置かせ、ベッドで寝ろと言ったが、そのまま畳で横になってしまったので、布団だけ掛けてほっといた。 ベッドに入って、明かりを消して、寝直そうとしたら、異様な音が……
お食事中の方は、こっから先は読まない方がよろしいかと……
ランディが寝たまま畳の上にゲロ吐いていた。 午前三時である。 わたしは眠いのである。 泣きたい気分でバケツ持ってきたときには、粗方胃の中のもの吐き尽くした後だったらしい。 畳を掃除した後、ゲロに突っ込んだ顔を拭いてやってるわたしにも絡んでくる。 殺意を覚える。 不幸中の幸いは、ゲロの臭いは殆ど無く、アルコールの臭いしかしなかったことくらいであろうか。 一体どれくらい飲んだんだ?
缶酎ハイ六本。 三分の二以上残っていたウィスキーが空。 殆ど手をつけていなかった焼酎が半分になっている。
……そりゃ吐きもするわな。
人が、精密検査の結果を受けて本格的に禁酒しようと決めたその日にこの所業。 これだけで、わたしが普段、良き妻たりえないことが総て帳消しになるよな。 と、呆れていると、トイレに行こうとして、足を滑らせ、卓袱台から片づけてなかったスープ皿の上に座り込み、ケツで粉々に砕いてくださった。 ちなみに、披露宴のとき、出席者のみなさまに引き出物として差し上げたのと同じ記念の品である。 (まあ、五組中、既にわたしは二組割ってしまっているから、そのことは責められないのだが……) 捨てるに忍びないので、さっき、破片を接着剤で張り合わせた。
今日の夕食は、まだ固形物を食えそうにないであろうランディのために、鶏と茸と卵の雑炊を作ったのだが…… 作ってるうちに、わたしの食欲が失せてきた。 理由は…………語らないでおこう。 察してください。
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