るるちゃんが紅茶を送ってくれたので、朝食のときに飲もうと思った。 トーストと目玉焼きとサラダでもいいが、牛乳がまだあるので、それを使ってしまうレシピに頭を巡らせる。 そうだ。 フレンチトーストを食べよう。 うんうん。簡単だし、紅茶に合いそう。 そう思って下準備をはじめる。 食べやすい大きさに切った食パンを、牛乳と溶いた卵を混ぜて砂糖とバニラエッセンスと洋酒を少し入れたものに浸して、バターで焼く。 フライパンを出しかけて、ふと思う。 バターのカロリーは、高い。 ヘルシーに行くなら、オリーブオイルか、グレープシードか……いや、いっそ、油を使わずオーブンにお任せしよう。 グラタン皿に、食パンを並べ、適当に温度設定したオーブンに入れて20分。 ちょっと大きいマグカップに紅茶を注ぎ、熱々のフレンチトーストに、メイプルシロップをかけて、一口食べて、既視感を感じる。 ん? なんか、どっかで食べたような味である。 それも、極最近。
牛乳・卵・砂糖・バニラエッセンス・ブランデー
……。 食パンとメイプルシロップを除けば、二日前に作ったプリンと全く同じ材料ではないか。 しかも、フライパンでなく、オーブンを使ってしまった。 これは、もしや、フレンチトーストではなく、
パンプディング
と呼ぶべき食物か?
得体の知れない敗北感を感じつつ、熱いフレンチトースト(まだ言うか)を食べる朝。
るるちゃんの送ってくれた紅茶は、とても美味しかった。
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