としょかん日記
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2006年11月16日(木) 光明

なにやら体調が良くないですよ。これ風邪の前兆ですよ、多分。
なにより最近忙しいのにやる気がないのは、まあ大人なんだからいろいろありますわ。

さて、読み聞かせの話。
わが図書館は、近隣の小学校へ読み聞かせに行っている。これはもう何度となく書いたことだが、実に素晴らしいことである。学校と図書館の連携、読み聞かせの重要性、などなど。教師志望のこともあってわたしは学校へ行くのが好き。しかし、最近その読み聞かせに疑問を持っていた。

授業とはいえ、外部から入ってきたよそ者が勝手に1時間本読んで、それが次につながるの?という疑問を持ってしまった。読み聞かせは素晴らしいでしょう。子どもたちもその時は聞くでしょう。でも、年に1回の読み聞かせでどれだけの効果が出てるものなんだろう。正直言って図書館の、ひいてはわたしの独り善がりだろうか。

でも、そうでもなかった。
今日一つの希望が図書館にやってきた。
その時間、わたしがカウンターにいたことは偶然ではなく必然であると思いたい。

夕方、母親に連れてこられた子どもが返却にやってきた。わたし見てニコニコしてるし、読み聞かせに行った学校の子かな?と思った。本の返却を終えたときその子はわたしにこう聞いてきた。
「『きょだいなきょだいな』ある?」
「きょだいなきょだいな」とはまさに先日学校で読んだ本。あーやっぱりそのときの子なんだなと思い一緒に棚へ。運良く本は残っていた。「これだね」と渡すと「やったぁ!」と嬉しそう。そこへすかさず母親が「先日学校へきてくれたんですよね」と聞いてきた。
「お兄さんが読んでくれたのがおもしろかったみたいで、図書館に行きたいって言い出したんですよ」
「普段本読まないくせに読みたいって言い出して」
嬉しかった。
自分のやったことに意味はあったんだよ。わたしの読み聞かせがその子の足を一歩動かしたんだよ。もしかしたらその興味は今日で尽きてしまうのかもしれない。それでもその子は一歩前に動いた。
それで満足。
自分のやってきたことに、一つの希望が見えた。
それで大満足。


信々 |MAIL

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