としょかん日記
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というわけで最近読んだ本。本のチョイスが良かったのかさくさく読めた。
「その日の前に」重松清 うわーん。これはもうテーマ勝ちだよー。こんなんわたしに読ましちゃだめだよ。どうしても読みたい本で、予約が切れるまでゆっくりと、心して待った本。期待は裏切らなかった。 死にまつわる5,6の短編集。どうして泣かずにいられようか。そう泣きました。一番心に残ったのが、奥さんの死期に駆けつけた奥さんの父親が、夫に対して「丈夫な子に産んでやらずにすまなかった」と謝るところ。おとーさん!!それは、それは言わないで。わかっているけど言わないで。死の前にはみな平等であり、抗えない。だけど、残された人々はそんなことを割り切れない。なにより日常に戻らなければならないことが哀しい。幸いなことに本当に近い人を亡くした経験がないが、とりあえず、自分はまだ死ねないと思った。全く同じ意味で、家族をまだ死なせられないと思った。
「赤い指」東野圭吾 「容疑者X」が出たばっかりの頃はまだ東野人気がそこまでいっていなかったのですぐに最新刊を捕まえられたのに、一度直木賞を受賞したものだからこの作品が予約多数なんですよ。おまえらその前に「白夜行」と「秘密」と「超・殺人事件」を読め!と知ったかぶりたい自分を許して。というわけで予約多数につき、中央の指示でもう一冊買ってくれと言うので発注した。届いたものを登録して出す前にこそっと借りて読んでしまった図書館員の風上にも置けない行為をしてしまったことをここで謝ります。 前置き長っ! というわけで「赤い指」ですよ。今回の売りは加賀刑事のパーソナルデータでしょうか。それ以外はあーなるほど東野圭吾だねーと言った作品。正直、これ短編でも問題ないんじゃねーの、とは思った。「嘘をもう一つだけ」に入れてもいんじゃねーの、と思った。しかし上手い作家って言うのは嫌な人間を書くのが上手いんだね。
「ボトルネック」米澤穂信 恋人を弔いに来た崖に落ちたはずの自分。しかし落ちたはずだがパラレルワールドに迷い込んだようだ。その世界とは、自分が生まれなかった世界。姉となる人が産まれた世界。そこで自分は数々の事実を知ることになる。 穂信きた、これ。「来るらしいよ」と多方面の情報からとりあえず唾つけておくかと最新刊で来たものを捕まえてみましたが、面白かったよ、これ。ミステリ書きかと思ってたのですが少なくとも本作は違った。ミステリ要素はありますが。「パラレルワールド」を上手く使ったもんだね。事件にしても人物にしても。わたしはラストが、ラストが好き。というか、最近気づいたのですが、わたしってば「青春小説」が結構好きみたい。というわけで米澤穂信にはまってもよろしいですか。
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