ことばのかけら
桜子



 秋 最後の声

乾いた風に 秋を想った
訪れた新しい季節に浸っていたかった……のに

遅すぎる貴方の最後の声

季節を外し鳴く蝉に
恐らく人は苦笑いするだろう
涙が……出そうになる

追いかけても戻らない
戻れないよ…・・・
全ては移ろっていってしまった

尚も遠くで蝉がふりしぼるように鳴く
いつかフェードアウトしていくのも知らず

新しく生まれる風に また秋を想った
過ぎた声に耳を貸さずに……

2003年09月28日(日)
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