2004年03月30日(火) |
Site visit 二日目 |
いきなり二日目になってしまいましたが、昨日から今日にかけて今月のSite visitがありました。
昨日は上部ダム、今日は下部ダムで、昨日は説明をさせてもらいましたが、今日は資料を持ってウロウロ付いて回っていただけで説明の機会はありませんでした。いやぁ、残念残念。(一応余裕を見せて・笑)
というか昨日の上部ダムのトンネルで湧水が発生しており、その説明が無事に済んでいたので、今日の下部ダムは問題もなく説明も楽なのはわかっていたのですね。ただ発注者もその事はわかっていたらしく、問題なしという事で説明はNo needとなったのでしょう。
Site visitに付いて回ると発注者に説明するのを横で聞けるので、ダムの他の仕事などの勉強になります。どうしても自分の専門外だとじっくり説明を聞くチャンスなどあまりありませんので。
今日は垂直変位計(Verticai measurement system)の説明を聞いてシステムの中身を初めて知りました。
ここのダムの形式であるRockfill dam with central clay core(中央クレイコア式ロックフィルダム)というのは、水を通さない粘土(Clay)をダムの中央に立ち上げて、その上下流をRockで支えるという形式です。
写真はLower Damで茶色の部分がコアになります。このコアが約90m盛り上げられ、その上下流を灰色のRockゾーンで支えます。
この中央のコアが水を貯めるのに重要な働きをしますから、その挙動を測定するのは大事な事です。ちょうどこの写真はコア部分に溝を掘ってその中に水平変位計を設置しています (写真は下流左岸から上流を見ています)。
垂直変位計のシステムは5cmのプラスチックパイプをコアの中に繋げて立ち上げていき、真ん中に穴を開けた50cm四方のステンレス板を10m毎にパイプに通して設置しておきます。そのステンレス板の穴の周囲には磁石が取り付けてありまして、パイプの中を通して長さの目盛りの付いた測定器を下ろしていきます。磁石の部分を測定器が通ると、測定器中の鉄板が外に吸い寄せられて接点が接触し音が鳴る仕組みです。盛り立てられたコアが自重などで沈んでいくと、当初の10mピッチが少しづつ狭くなっていくのでわかります。
いやシステムというほどのシステムでもないのですが、ダムの計測システムは何年と使うのでシンプルなのが一番だと思いましたね。 ちなみに大体ダムの高さの1%程度は沈むそうです。
コンクリートダムも見た目は動いていないようですが、水圧がかかるとしっかりたわんでいます。コンクリートダムの場合はダムの堤体の中に上部から下部まで通した50cmくらいのパイプを設置して、その中にワイヤーと錘を下げておいて変位を測定しています。この場合は動きが直に見えますからよくわかりますよ。
休暇まで約20日。
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