2011年07月05日(火) |
「今日を刻む時計」 宇江佐真理 |
髪結い伊三次捕物余話 「今日を刻む時計」 2010年7月 初版 文芸春秋社
シリーズ物9巻であります。1巻から読んでいると登場人物の成長がうれしくもあり、自分も同じように年を取るのがむなしくもあります。 7巻あたりから主人公が伊三次から、上司である不破友之進の長男「龍之進(27歳)」に変わりつつあります。正式に夫婦となり子供を持った伊三次より結婚適齢期のイケメン「龍之進」のほうが物語として面白いのかもしれませんね。江戸時代でも現代でも結婚は人生の一大事、大騒ぎするのもしかたありません。女性は16歳くらいから結婚するし、親や親戚の薦めた相手でも簡単に結婚を了承するので現代よりはずっと結婚しやすかった。その変わりいい年して独身のものには風当たりは強そうです。
「龍之進」は、親戚の薦める相手に断られ、自分で相手を見つけようとするのですが、女心がわからない朴念仁なので苦労しております。 ただ最後の話で「龍之進」が運命の相手と話す場面は読むと胸が熱くなり涙が出てきました。 やはり女流作家の書く話には「恋」がなけりゃいけませんね。
|