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■ 電車女2
彼女は眠そうな眼をして僕の前に座っていた。
うっすらとした化粧はその知的で端整な顔をより引き立たせていた。
上品な色合いに塗られた唇がかすかに動き、彼女はひとつあくびをした。
「!!!!!」
今までの美貌が音を立てて崩れていくような、それは顔が変形するようなあくび。
ほんの一瞬ではあったが、人間の表情筋の豊かさを証明するかのように彼女は別人へと変貌した。
再び彼女の周囲をきらめく時間がまとわりつく。
そして彼女は何事もなかったかのように、ふとあたりを見回すとゆっくりと眼を閉じた。
疲れていたのだろう。
やがて、彼女が浅いに眠りにつくと、美しい光の糸が、唇から降りてきた。
「!!!!!!」
粘性の高いその糸は電車の振動にあわせ、ベージュのハーフコートの左の襟と彼女の口元を結びながら、永遠に振れる振り子のように揺らいでいた。
とまぁ、こんなことが電車の中でありました。
美人は様に・・・・・・今回はならなかった(笑)
2006年03月07日(火)
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