2004年07月09日(金)  後  





 久しぶりに泣いた。


 あたし、苦しいんだと思った。








 思った。
 早く、早く忘れたいと思った。
 こんなに苦しいのは、もう嫌だ。
 想いを、あたしは支えきれないよ。
 もうきっと、いや、絶対に、
 ひとつになることの無い想いの片割れを、
 持ち続けていることは、
 本当に苦しい。


 逃げたくなるくらい苦しい。
 ただの他人に、戻りたい。
 はじめから他人なんだけど、他人なんだけど、他人じゃなかった。







 もっと一緒に居たかった。
 出た結論がこれ。
 ただただ、もっと一緒に居たかった。





 二人はなれたのは、
 あたしのせいだ。
 自業自得なんだって思う。
 あたしが、会わせなければ良かった。
 そしたらもう少しだけ、
 もう少しだけでも、一緒にいれたはずなんだ。





 誰も悪くないと思う。
 心底、あたし以外の誰も悪くないと思うんだけど、
 でもあたしはきっと、あたしが一番なんだね、
 あたしは悪くない、って頭の中が言っている。



















 人とメールをしてるとき、
 思わず打ちそうになる、名前。
 頭の中に浮かぶ、名前。





 その名前の持ち主が住んでいた場所、
 意外に色んなところで目にして、
 今日は日焼け止めに書いてあるのを見つけた。
 他にもたくさんある。







 最近、思い出さなくなって忘れたと、忘れられたと思った名前。
 どうしてだろう、思い出せば涙が出る。
 名前の持ち主のために流す涙は、
 もうとっくに枯れた筈なのに。



















 会いたいのかな、まだ好きなのかな、
 色んな思いがあたしの心をぐちゃぐちゃにする。


 ただただ思い出は鮮明によみがえって、
 あたしの心の中にいる。
 でも、思い出は「思い出」で、もう二度と繰り返されない。
 そう思うとなぜか苦しくて、
 でも、その苦しさを味わってはいけない気がして、
 逃げたい。



















 逃げれないのは、何故だろう。
 彼の元に残してきた本の中に、あたしの気持ちを、
 彼の部屋に、あたしの気持ちを、
 そのままむき出しでおいてきたからだろうか。


















 いろんな意味で、
 いろんな意味で、
 あたしの中に閉じこもって、
 あたしの肩書きを取り払って、
 小さくなっていたい。







 色んな肩書きが、あたしをあたしじゃなくしてる。
 その肩書きに、手が届かなくて、
 とても、とても、嫌だ。
















 心の中が、
 心の中の奥底の、本当の小さなあたしが、
 もうやめて。と、声を枯らして叫んでいる気がする。



 気がするだけだから、
 それはあたしがそう望んでいるだけなんだ。

















 大嫌いよ、じぶん。














  

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ほっとけない 世界のまずしさ 

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BbS