2003年10月17日(金) |
札幌風月-お好み焼き- |
めにゅう お好み焼き(豚玉)
22年前東京に戻って来た時お好み焼きの値段の高いのにたまげた。
札幌の高校生だった時、学校の真ん前にある「風月」というおいしくて安い関西風のお好み焼き屋さんによく行っていた。カウンターだけの店でおじさんが目の前で焼いてくれる。
味もさることながらおじさんがお好み焼きや焼そばを作る時の見事な手さばきにいつもほれぼれしていた。
手順のなかでも私がもっとも愛してやまないのがお好み焼きのたねとキャベツと卵をさほど大きくないアルミカップの中で合わせる時だ。パフェ用と思しき柄が長くて先の細いスプーンで混ぜていくのですがいまにもこぼれ落ちそうなほどのキャベツがあれよあれよというまにたねに混ざり込んでいく。 カッコンカッコンとスプーンとカップのぶつかり合う音とともに。
これを見る度おじさんの手は魔法の手だと思った。
東京では風月の3〜4倍もの価格でありながらしかもおいしくないのがたくさんある。
大学生3年の頃、北海道旅行をした際に風月に立ち寄ったら、店は物置きのようになっており驚いた。あんなにおいしかったのにつぶれるはずない。冷静になって見渡すと店は地下に移ったようだ。ほっとしたのもつかの間、私の目にとびこんできたのは喫茶店のようなつくりのテーブル席。注文されたものは奥の厨房で焼かれできあがったものがテーブルの鉄板にのせられる。
がっかりした。本当にがっかりした。おじさんの姿はどこにも見えなかった。これがあのおじさんの風月なのかとも思ったが、おじさんの店であることははっきりとわかった。
おじさんのかくばっているけどどこか愛嬌のある顔は「キャラクター」となってTシャツなどにプリントされていた。複雑だった。
思えばバブルのまっただ中。きっと風月をはさんで隣にある南高出身者の中で経営コンサルタントとか銀行員になった奴がおじさんをそそのかして営業スタイルを変えさせてしまったに違いない!と私は勝手に思いこんでいるのだ(笑)。札幌駅やら道内各地に支店までもつほどの「すごい」経営者になってしまったのだ、おじさんは。
まあ、もっとも関西の方のようだから持って生まれた商売の才覚もあるんでしょうけど。
よく地球最後の日に何を食べたいかなんて質問があるけど、私はおじさんが焼いたお好み焼きが食べたい。はけでソースとマヨネーズを塗ってくれるあのお好み焼きがいい。
関係ないけど、クレヨンしんちゃんが晴れて本当の春日部市民になったらしい。めでたいことだ。クレヨンしんちゃんが嫌いなお母さんお父さんは映画クレヨンしんちゃん『モーレツ大人帝国の逆襲』だけはみてほしい。泣くぞ。 解雇されてからの日記はこんてんつ↓へ!
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