2002年09月21日(土) |
じゃあなぜ受胎したのか |
私は遅い結婚だったので、意欲的にコヅクリ宣言。 排卵検査薬 婦人体温計 毎朝体温をデータ入力 正確なカーブに頷き 唾液で排卵日を検査するチェッカーは 見事なシダ模様を描く。
はじめは 「レス」だとは気付かなかった。 そして確かめたら そうだった。 わからない人には わからないだろうが、 子供が欲しい人間にとって「レス」は 打撃だ。 これが能力の問題なら医学で解決も可能だが、 完全に精神のことだった。 ヤラレタ。
彼は「いい夫」を演じすぎていた。 わたしは全く見抜けなかった。 「レス」でなぜ妊娠できたのか。 ベツレヘムの馬小屋で分娩台に乗れる聖母率は 皆無。 わたしのコヅクリ意欲に彼がつきあってくれてたのだ。
性欲がないのではなく「私は家族になってしまったので 女ではない」という言い訳に涙が止まらなかった。 理由にならない理由。 ただ、それは私が鬼のように問いただして搾り出した応えで、 本人も「なぜそうなったのか よくわからない」と言った。
「なぜそうなったのか よくわからない」 この言葉 過去にも他の男に言われたことがある。
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そう 数年前。 彼(非 現ダンナ)の部屋を掃除し、ベッドのシーツも替え、 私専用のスリッパを買い私の匂いが彼の家に居付き出した頃。 その日は私の誕生日だった。でも数日前から連絡が取れなくなっていた。
部屋のドアをあけたら、黒いハイヒールが脱いであった。 午前9時。 台所には 得意のリゾットを作った後がある。 どどどどどど! 階段を駆け上がると、わたしのスリッパが脱いであった。 買ったばかりで値札もついたままだったのに、 まだ一度も履いてなかったのに。玄関先に置いていたのに。 わたしのスリッパは もうわたしのスリッパでなくなっていた。
前の週にわたしの替えたシーツはきっとシワシワになって 彼らの「跡」をつくっているのだろう。 徹底的に攻撃した。以来 二度とそいつとは会っていない。 リゾットはすっかり冷めていた。
その男が 数週間後 「なぜ あんなことになったのか わからない」とメールで言っていた。 そのことが思い出された。
実はこのことも仕組まれたことだったと今になってわかった。 *********
夫婦として 日常感じる不幸はそれだけで あとは順風満帆といってもよかった。 それはわたしだけが感じていたのだけれど。
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