目口覚書
■目口覚書■
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2002年08月26日(月) ADHD 

注意欠陥多動性障害(ADHD)という言葉が、少し注目され出した感がある。
わたしも以前の日記で、このことに関心があって親戚の子供に、
「教室でじっとしていないクラスメートはいる?」と聞いたことがあると書いた。

ADHDとは、病気のひとつである。
その症状は、
集中力に欠ける、片付けられない、忘れ物が多い、すぐキレル・・・などなど。

え?
それって私よ、なんて冗談言えている時はいいのだ。
私自身、この症状はあるよなって思えるふしはいくらでもある。
子供の頃は人の話を聞いていても ふーっと自分が遠くへいってしまうことが
しょっちゅうあった。


このADHDという病気を抱える大人のドキュメンタリー番組を観た。

離婚して子供さん3人を育てている40過ぎの女性。
部屋が片付けられない。物事をやっているそばから他の事に気を取られる。
時間通りに(例えばお弁当を作るなど)できない。子供は、週に3回ほどは
お弁当を持てずに学校へ行くという。

テーブルの上がちらかっている。
まず置きっぱなしの鍋のふたを手に取る。
取ったとき目線の先にあった、室内に干した子供のレオタードが気になる。
鍋蓋を脇にはさんだまま、レオタードをたたみ出し、今度は
机の下に散らばっている 折り込みチラシをまとめようとしゃがむ。
そして、その時脇にはさんでいた鍋蓋はまたテーブルの上に。
そのうちに、子供の保護者会のお知らせを見つけ 唖然としている。
すでに それは終わっているのだ。

これがエンドレスで続く。
彼女は決していい加減でなく 怠惰ではない。
むしろ一所懸命動き、片付けようとし、いいお母さんでいようとしている。
でも動けば動くほど 部屋は散らかり、子供に迷惑をかけ
なんで私はこんなんなんだろう、と涙をぽろぽろこぼしている。


この病の原因は、前頭葉が小さいことらしい。
彼女も、MRI検査の結果、頭蓋骨と前頭葉の間に 
一般より隙間が開いていることがわかった。そしてADHDと診断。

計画をたてられない、先読みができない、
時間を守れない、約束を忘れる

それまで 自分はだらしない人間 と蔑んでいた原因が
実は病にあったことを知り 少しほっとしたと言っていたが
戦いが終わるわけではない。

衝動性、計画性は薬では治療できない。
また、未だに自分が病と知らず 一人悩んでいる人もいーっぱいいると思う。
そして、病ということがわかったところで、それを理解できない社会と
折り合いをつけて生きていくのは大変で 他人の反応が
自分への劣等感をさらに増大させることだって多いはずだ。


「わたしたち」は一般的であると決めつけ マイノリティの存在を無意識にでも
いや無意識だから怖いのだが、無視したり傷つけたりする。


管理者研修ということに携わったりするのだが、
例えば部下の目標管理が甘いとか計画性が低い ということで
一刀両断 それはダメというのは簡単だ。


その原因が 病であろうとなかろうと、なんでそうなるのか?と
一緒に膝突き合わせて 考えたり導いたりする人間が少ないと感じている。
上へ行けばいくほど 忙しく また忙しいふりをして安心して
一緒に立ち止ってみるゆとりなど なくなってしまった。

今できることは ここまで。
こうあればいいな という望みはこれこれ。
そこにいくまでには 何をしていったらいいかな。
それは障害者であっても そうでなくても階段の高低はあれど
ステップアップには違いないとわたしは考える。

ADHDの病もさることながら、それによってもたらされる
患者の心の病が大きいことに ADHDのNPOは警鐘を鳴らす。

これは会社員でも 女子高生でも 主婦でも
同じような気がして仕方がない。
営業成績が悪い、両親の仲が悪い、子供の成長が遅い、
このことによってもたらされる精神的圧迫。


健常者と病保持者を いっしょくたにしてはいけない事もわかってるつもり。
(でも 表面的に健常者でも 病気を抱えて生きている人の多いこと!)

しかし できることが当り前で それ以外は×としてしまう心の構造が
心の病を生んでしまっていることに なんとかなんとかできないか
と思ったのがきっかけで わたしはある夢をもつことになるのだが、
ここにきて その夢が急進展していきそうな気配。






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