目口覚書
■目口覚書■
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2002年07月04日(木) 悲鳴をあげた爪

ここにも何度か登場したアシスタント嬢、
昨年秋までは全国の直営店を飛びまわる営業スタッフだったのが
異動で今のチームにやってきた。


慣れぬ仕事と人間関係(特に直属の上司との間)で
かなりストレスがたまっていたようだ。
じわじわとじわじわと彼女の『弱い部分』をストレスが侵食しはじめた。

それは爪。
もともと、何年間もネイルサロンに通い、
フレンチネイル、ジルコンきらきら、お花の模様、
あらゆるスカルプケアは彼女のトレードマークみたいだった人だ。

その両の手の爪が 痒いと。
正確には爪の中が痒く、掻くに掻けない場所だけに
集中力も欠く始末。仕事のポカも頻繁に。

で、その爪たち今度は皮膚から浮き上がり出した。
全ての爪が剥がれる、もちろんネイルケアなんぞできないその指先は
無残に茶色く変色し、ちょんちょんに切り揃えられ
指からふわふわと浮いていた。

彼女曰く、爪が不自由ということは指先にいかに力が入らないかを実感
するらしい。

いろいろなアレルゲンを調べた結果、直接の原因は
ネイルサロンで使っていた「除光液」だったらしい。
その液が特別だったのでなく、今までずっと使っていたのに
ストレスと体調変化によって 液に含まれるある薬品に
爪が反応していることが検査の結果わかった。


私は、主に週に一度しか彼女と会わないのだが
体調が悪いと仕事にも影響してくる。
それに彼女の上司は私の仕事のパートナーでもあり
日頃からその上司のリレーションシップの不器用さは
社内で評判だった。
うーん、よろしくないなぁ。


一度わたしに「私って、事実をちゃんといえないんです・・」と
悩みを打ち明けたことがあった。
へ。どゆこと?

彼女は、わたしとの週一の仕事のあと、上司から「どうだった?」
とよく聞かれるらしい。
その度に 何から伝えればいいのか迷って論旨が散漫になり、
しどろもどろになるので 上司からいつも注意を受けるという。


問題は、事実を言えない事ではないのが伺える。
相手の質問に対して、上手くやろうとして防御が入っているのかな、
と思ったんだがそれは言わないでおく。
それよりも何よりも 上司が求めているのは何なん?

「仕事の結果報告。」
それを毎回、してるん?
「否。聞かれてから答えようとするからこのていたらく」
そか。すると本当の問題は、何やろう?
「!」

この話しをしている最中にも 彼女は3回ほど涙くんでいた。
要するに精神的に不安定。

自分で答えを出さず(本人は出せずと思っているが)、
人に答えを求め、人の指示を待ち、評価を気にし、
それは至極当り前のことだけど、
レベルを超えるとストレスになって体が悲鳴をあげる。

彼女はその後、現状報告、結果報告のシステムを
自分なりに作るといってきた。

いえいえ、実はわたしもクライアントであるあなたの上司に
ちゃんと事後報告していなかったのだよ。
あなたに言っている途中で気がついたさ、はは。と、正直に告白。

彼女の爪は剥がれたあと、新しい爪が生まれている。






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