先月のことだが、二人で確定申告しに税務署へ行った。
ダンナさんはサラリーマンなのに年末調整してもらってないので 毎年申告しに行っている。
わたしは、去年の11月から元会社で非常勤スタイルで働いてて 扶養控除範囲内の稼ぎなので所得税の還付があるはず。
生命保険の証明書や、所得証明やら印鑑やら通帳やらと 忘れ物がないか確かめて出かける。
二人ともそろって出かけられる日で、税務署があいてる日が 一日しかない。土日もやってくれ、税務署。
でもって、書類なぞはなから用意する気はなく 当日、端末を使ってプリントアウトしようと話を決めていた。
個人経営者じゃないから、経費とか領収書など予め整理する必要もないし だからこそ、必要書類さえ忘れなければ前準備なしで完成しちゃうのだ。
しかしこの端末を利用してる人はあまり見かけない。 会場を埋め尽くす おっさんおばはんは 老眼鏡と電卓をお供に 係員を何度も呼び止めて 熱気むんむんだ。 端末のほうが 字も大きいし、画面いっぱいに電卓がでてきて 計算しやすいんだよー。 その日端末利用している人はわたしたち以外に スーツ姿の男性1人だけだった。
プレハブに仮設置された場所で所定の用紙をもらい、 パソコンに打ち込む。 「配偶者がいますか? はい・いいえ」 えーっと どっちだっけ?って手間取ってるあんたが信じられん。
私 さくさくっと完成。 ダンナさんは結婚前の申告では5000円程度しか戻ってきてなかったらしく 配偶者控除とか、生命保険で控除されて還付される金額をみて しばらくぼーぜんとしている。
「おおおおお!」 一ヶ月の家賃より多い金額が戻ってくることですっかり気が大きくなった ダンナさんったら、ランチに焼肉へ行こうとか、パチンコへ行こうとか あぁ キリギリスってこういう人のことをいうんだなと とてもわかりやすく行動してくれる。
さて、この私は静かな笑みをたたえながら その実頭の中で くるくるまわっていることがあった。
実は半年定期で契約してあったシティバンクの外貨預金がこの月、 満期をむかえたのだ。 こわがりで保守的なダンナさんはドル買いなんぞあてにならん と 反対していたが わたしの持参金(独身時代の目くそのような貯金を わたしはわざわざそう呼ぶ)でやるのだから文句言うな と黙らせていた。
ドル買いをしたのが去年の8月。そしてそのあとあのテロ事件。 ドルはどんどん下がっていく。 実はこれがいいのだ。 毎月決まった円金額でドル買いしていくので、ドルが下がれば下がるほど たくさん買えるというしくみ。 テロ後によほどもっと買おうか と欲も出したが 人様の不幸に乗るような気がしてやめておいた。 今から思うとやっておけばよかった。
で、満期になるころに、ドルは上がっていった。 たった半年で家賃1ヶ月どころか4ヶ月分、利益が出たのだ。 ただし、これはあくまでもドル換算して の話。 いつ円に換えるか、もしくはドルを持ち続けてもっと上がるのを待つか。 これは国際情勢とか経済とかが反映されるので 自分自身の関心も 広がるし 勉強にもなるのでは と思った。
が。
私は2月3月といえば 仕事大忙しでまめにドルチェックなんぞ しておられんし、そもそも国際情勢も経済よりも明日の自分が 生きてんだか死んでんだかって中でそれどころでない。
そして ちょっと放っておいたすきに ドルの野郎とっとと下がりやがったので まぁそんなこんななことが 「焼肉いこー」「パチンコいこー」と嬉しそうなダンナさんの顔と 重なり ちょっと複雑だったのだ。
でも所詮わたしたち快楽主義者。 たらふく肉をいただき、わたしの好きなハネモノ台を探し、 フィーバーでは確変ゲットし、はたまたあっというまに使い果たし 収支トントンで帰路についた。
人間欲をだしても 結局はとんとん なのかも。
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