日記でもなく、手紙でもなく
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お正月に放送され、ビデオに録画しておいた番組、<若冲>を見る。近年再評価が進んでいるユニークな江戸期の絵師。
若冲の世界一のコレクターは、実は米国の人。自宅では、カリフォルニアの明るすぎる光を避け、ブラインドと、日本の障子(風のもの)で外光をコントロールし、蝋燭の炎の光で、ゆらめく若冲の絵を見るのが、一番ということらしい。 こういう人がいてこその再評価でもあるのだろう。
この米国コレクターが捜し求め、実物を一度は見たいと思っていた作品が、全30点で構成される<動植彩画>。 もともと、相国寺に若冲から寄贈されたもので、かつては年に1度全作品を一室にかけて、見られたという。 現在、御物になっているので、なかなか見ることもかなわない。
一度は、忘れられた絵師だったが、今の時代に復活している−−というのは、おそらくそこに何らかの理由があるはずだ。 徹底した観察に支えられ、重ね塗りの一切ない画が、どうしてここまで人を惹きつけるのか。拡大してみると、線の迷いが一切ないようなことも見えてくる。
若冲といえば、なにしろ<鶏>の絵が、とても生き生きしていることは知ってしたが、それ以外の動植物をテーマに、数々の作品を多数描いていたことがよくわかった。 鶏が一番手頃に観察できた、ということだったようだ。
今や、新しい伝説の絵師、若冲である。
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