去年の楽器店の棚卸のときに、在庫部屋で、初売り用特価品のアコーディオンが入荷しているのを見つけた。
「きゃ〜!かわいい!これいくらになるんですか??」 「買うの?2xxx円だから、2xxx円でいいよ」 「まじですか!?きゃ〜!!キープしといてください!!正月明けに買いに来ます」 と、衝動キープをしてしまった。すかさず 「また、そんなことして。おまえ、小さければ弾ける思っちょろうが。Zo−3だってこれなら弾けそう言うて、そんで結局{小さくてもギター}げな、あったりめぇな結論を出したろうが」と、店長夫人。 「何とかするくさ〜」と、ココロはもう屋根の上のアコーディオン弾きであった。
キープされているアコーディオンを、取りにいった。 随分と、売れてしまっていた。 「初売り、お客さん多かったんですか?」と、店長に尋ねたら 「アコーディオンが結構売れた。なしやって思う?」 「・・・えええええっ!!」
商店街の初売りは、元旦の夜から始まる。 その寒空の下、店頭で店長の愛娘(16才)がミニアコーディオンを抱え「美しき天然」を、エンドレス演奏!
日本人の好む、あのマイナーの曲調と、なんともしれない哀愁を帯びたアコーディオンの音色のタッグを無視できるものが居るであろうか・・??
「反則じゃんか〜〜〜!!」 「そうくさ。おかげでギターは売れんかったぞ」
来年は何をさせられるのか、不安そうな目でチラッと愛娘がこっちをむいた。
がんばれ。愛娘!! 店の命運は、まさに君の腕にかかってるんだ。
家で弾いてみて、{小さくてもアコーディオン}げな、あったりめぇ〜な結論をまたまた出した私の腕には、「演歌新年会」という催し物が、すでにぶら下がっているのだから。
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