東行庵の軒下で

1997年08月08日(金) 嵐の東行(とうぎょう)記(1)

折りしも、九州地方には台風11号が接近していた。

9日の朝、飛行機で出発の予定だったのだけど、朝、窓を開けたら「絵に描いたような台風風景」だったら、陸も空も海も、どげもこげもしようのなかばい、と、2万8千円の手出しを渋る東行旅団員の固いサイフを言葉巧みにこじ開け、東京へ向かうブルートレインの先頭車両に飛び乗った。そして、JRの発行してくれた切符を読み返した。

14号車。

なんど読み返しても、14号車。
本来なら先頭車両のはずである。しかし、飛び乗った先頭車は13号車、その前は機関車。これに乗れというのか?!?

パニック込み上げ一歩前の旅団員その1、その2、その3。
そんな大げさな〜と思った友よ、兄弟よ、それは違うぞ。先頭車両マークの所で荷物を持って待っていたところに、機関車が止まるなんて「コント?」と思うくらいの衝撃が走ったのだよ。

とにかく、車掌のところへ行こう。乗ってしまったんだ、今更降りてくれとは言わないだろう・・等と考えながら、車内をどんどん歩いていく。ガラッ、ぴしゃ、と重たいドアを開けて。ガラッ、ぴしゃ。ガラッ、ぴしゃ。

がらぴしゃがらぴしゃX14!!

私は将軍様に会いに行く家臣か!?!

やっとの思いで車掌室のドアにたどり着いた。
「14号車は、ブレーキが故障して、そのままだと火を噴くかもしれんけ、置いてきたとですたい」と、わかりやすい説明をする車掌。
う〜む、火を噴く列車!なんだかオモシロイね!!と、私は疲労の色を浮かべた団員に笑いかけたが、アホな笑顔が宙に浮いてしまった事は言うまでも無い・・(つづく)


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