2006年09月22日(金) |
映画を観てきました〜ゲド戦記〜 |
遅ればせながらやっと観てきましたよ。とりあえず今年の話題作本命のうちの一つ。 まあ、ご存じの通りなんだか評判がめちゃめちゃ悪いので…観に行く方としてもなかなか士気が上がらなかったのもあったんですけどね。すでに観た人の中でも賛…はあまりなくて否定的な意見が結構あったんですけど、とりあえず私の感想です☆(^.^)
まず見終わってすぐ思ったのは、『どのキャラにも萌えなかった(笑)なあ…』(=.=)ということですね。 宮崎アニメに限らず、どの映画を観てもたいがい『あのキャラが良かった!』『あの俳優さんに惚れちゃった!』というようなきゅ〜〜ん☆としたシーンがあると思うんですけど、この映画に関してはどのキャラに対しても気持ちが入らなかった。
●例えばマントのひるがえり「だけ」でうぉう、かっこいいッ!!(>v<)oとドキドキしたり、殺陣シーンでうひょお!ってなる事もなかったし、キャラのちょっとしたしぐさ、目線、立ち回りなどで心を掴まれるシーンというのも全くなかった。良くも悪くも芝居がかっていなかったといいますかね。そういうところは宮崎駿監督はとってもうまいと思うんですけど。 っていうか駿監督の場合はハッタリ!アクション!アクション!ハッタリ!の連続で、しかもどのキャラも常人離れした動きをする事が多いので 「しょせん、こういうとこに出るような人は普通の人じゃないんだよなあ…」などと思ったりするのですがそれにしてもアレンしかりハイタカしかりテナーしかりテルーしかり、もうちょっと「かっこよい」立ち回りシーンがあっても良いんじゃないかと思いましたね。 ●「何をどのように見せたいか」ちゃんと心に決めて作ってない、そして流れを考えてないからシーン一つ一つが浮いてしまってる印象がある。シーンがぶつ切りと言いますか。つながってない感じがしてしまいました。 ●すべてがセリフで説明してしまう「セリフ劇」になってしまって、キャラが行動で見せる場面が少なかった。(特に前半)そしてその上で ●印象的なセリフがないので心に残るシーンが少ない。 セリフが多い割に納得できる言葉が少ないのは、キャラが持つ存在感、経験値、人生などがあまりに語られ不足なためこちらに伝わらないのだと思います。絵や仕草だけで表現できなかったのもあると思う。
●主人公アレンがヘタレなのだけど、そのヘタレっぷりすら中途半端なため同情も出来ない。(苦笑)ヘタレならヘタレを著しく強調してくれれば、それが愛おしさに変わることもあるんですが(爆) だいたいアレンがあんなに皆に慕われて立派な父を冒頭刺し殺した理由が全く理解できない。「彼の心に巣くった心の闇がそうさせた」だけで済ませて良いのか??っていうか、ホントに理由はそれだけなのか?それにしてもやっぱり同情できないし、あの後彼が国に帰ったとしても皆に許してもらえるわけもなく、裁判にかけられて死刑になるのがオチだと思うんですけど(=".=) そもそも冒頭で父王が刺されてそれ以後、ハイタカとアレンが大きな街に行っても「あそこの王様が殺されたらしい」とか「犯人はその息子らしい」とか噂する人がいても良いと思うんですけど、何一つ情報が流れてこないのでもしかして父、死んでないんじゃね?みたいな気分になりましたよ。なんか気づいてみたらモブの人達が生き生きした会話というものをほとんどしてなかった気がする。だから今イチ画面に活気がないように感じたんだよね。 そしてハイタカが最初から最後までアレンにそこまで無条件に優しくしてあげる理由が解らなかったわー!
父・駿監督は人物・世界・世界観・小物や言葉に至るまでいろいろ設定しまくってるようなんだけどどうもそれを出し切れておらず、いつも登場人物だけはそれをふまえて話を進めていくんだけど観ているこちらには全く何のことだか解らず、見終わってからパンフレットや設定資料集を読んで初めて「そーいう事なの?!」って解ることがあまりに多かった。(特に千と千尋、ハウルなど)よく言う『大風呂敷を広げすぎる』ってやつですよね。 反対に吾朗監督は「設定が少なすぎる」ため、人物や世界に広がりを感じない。世界が狭すぎるんですよね。主人公のすぐ周りだけで話が進んじゃうのでスケールが小さい。スケールを広げるためのはずの外界に住む竜なんか、全然出てこないし。だから「いいなー!この街に行ってみたい!」(o^.^o)とかいう気分にならないですもんね。いくら現実にはない街とはいえ、そういう気分にさせるのは大事だと思う。
ただ、このゲド戦記では、人物の行動が「自然」で「地に足が着いてる」感じがしたところが良かったです。 普通人間だったら、空は飛べないし、本当に小さな裂け目でも飛ぶのには勇気がいるし、そんなには飛べない。ジャンプしたってそんなにジャンプ力はないし、足だって速くもないから一生懸命走ったってそんなに早く目的地に着けない。確かに超人的な動きの主人公達にドキドキはするけど、やっぱり人間は人間だもんなあ…。自分の足で一歩一歩進むしかないよね!と思わせてくれるのは良かったところだと思いました。
ん〜〜しかし残念だったのはやはり、テルーが名曲『テルーの唄』を歌うシーンですかねえ。 もうすでに歌が一人歩きしてる雰囲気ですけど、それにしてもあの歌が使われているシーンがあまりにも平坦すぎる!!歌を生かすでもなく、感動を与えるでもなく、ただテルーが歌ってる「だけ」。それなのになんでアレン泣いてんの??なんでそこで今まで生きる気力がないヤツは嫌いだとアレンに敵意を持ってたテルーはアレンを許しちゃうの?? まったく合点がいきませんでした。
う〜〜ん、う〜〜ん、これを一概に監督だけを責めるのはどうかとも思うんですけど。脚本とかさー。プロットとかさー。絵の質とかさー。映画って一人で作るもんじゃないでしょ?監督が替わるだけでここまでの出来になるんじゃ、こりゃジブリ全体で修行し直しって感じですかね! それにしても最大の失敗はアレですね、原作者ですね! 前に駿監督が映画化打診した時にオッケー出しとけば、絶対良い物作ってくれたのにー!出し惜しみするから失敗したとですよ☆っていうかそもそも何で駿パパは監督しなかったのですかね?健康上の理由ってホント?? …DVDやグッズは売れないだろうなー…A(TxT)
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