おおみち礼治のてくてく日記 DiaryINDEX|past|will
夕方、珍しく駅のバスターミナルに突っ立っていた。
早く、バス来ないかなあ、と来る方向を見つめていると、反対側から人がぶつかってきた。 少し肩が当たったとかではない。もろにぶつかってきたのだ。 一瞬、なんだこいつ、と思ったのだが、その人は白い杖を持って地面をトントン叩きながら歩いてきたのであった。目の見えない人ではしょうがない。視覚障害者誘導用ブロックの上に、ぼんやりと突っ立っていた自分が悪いのだからと、黙って道をあけた。 その人は「すいませんねえ」と言い、数歩でまた人にぶつかって「すいませんねえ」と言いながら歩いていった。…どう思っているのか知りませんけどね。その場では対応できても、付いて歩くわけにはいかない。家族が付いていれば、いちいち人にぶつかりながら歩くこともないだろう。ま、いろんな事情があるのでしょうが。 それと、ぶつかる前に、まわりに何人もバスを待っている人がいたのだから、一言「危ないですよ」と言ってくれればいいのに、みんな気がつかないのか無視しているのか、ほったらかしなのが恐い。 もうひとつ。 秋葉原の事件を見て思ったのだけれど、もし、ぶつかってきたのが杖を持った視覚障害者ではなく、ナイフを持って突進してくる異常者だったらどうなっていたか。 いまは、いつ何が起きてもおかしくないから、ファーストエイドセットなどバッグに入れて持ち歩いているのだけれど、これでは意味がない。 出歩くときは、常に辺りに気を配らなくてはいけないことを痛感した。平和ボケしている時代ではないというのに、いまだにボケている自分を発見したわけだ。 事件の加害者に憤り、被害者に同情と哀悼を示すのはいいし、なんという時代かと天を仰ぐのもいい。しかし、気に入るか気に入らないかは別にして、そういう時代なのであるから、受け入れた上で、自分の命を守ることを考えた方がいいと思う。 いや、考えるのではなく、実践しなくては。
おおみち礼治
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