おおみち礼治のてくてく日記 DiaryINDEX|past|will
地震がいつ来てもおかしくないということで、身の回りのことを考えてみると……準備らしいことはなにもしていないのだよねぇ。
1日の中で、もっとも長い時間いる自分の部屋なのだが、ぐらっと来た場合、物が落ちてきたり家具が倒れてきたりということは……いっぱいありすぎ。寝ているときは、まあ、倒れてきそうなものはないけれども、揺れ方によっては19インチのモニターが飛んでくるかも知れないし、本はバサバサ降りかかってきそうだし、出窓にある観葉植物や、ベットの頭のところに置いてあるラジカセも危ない。 阪神大震災のとき、クローゼットの扉が外れて中身が飛び出してきたとか、25インチのテレビが「飛んできた」とか、いろいろ聞く。理想は、寝室は寝室として、ベットだけで何も置かないのがいいのだろうが、片づけようにも置くところがない。 寝ているときは、本格的な揺れが来る前の数秒間に机の下に潜り込めるかどうかが勝負かもしれない。机の下は……入れるには入れるけど、やっぱりここにも物がぎっしり。せめてここは片づけておこう。 危ないのは、透析中に来たらどうするのか、ということだ。透析の機械が台の上に乗っかっているだけなのが気になるけれども、以前、聞いたことがあって、これは「まず大丈夫」という話しだった。それは信じるとして、激しい揺れで、ベットから落ちないだろうか? という不安もある。回路から外れないように、必至につかまるしかない。揺れているときに出来ることは、多分、ない。 ただ、その時をしのげて、病院の建物も機材も無事だったとしても、断水すると透析はできないからね。そうなったら、自衛隊のヘリに優先的に乗せてもらい、県外の施設に送ってもらうとかなんとか、そういう大げさな(?)話しもあるが、問題は県外に出てからだ。透析が出来る施設には送ってもらっても、病院で生活するわけではないから、宿泊場所は自分で確保しなくてはならない。見知らぬ土地で、どうすりゃええねん、と思うが……どうするんだろうねぇ。まあ、なんとかなるのだろうけれども、いつ帰れるのかも分からず、知らない病院で知らないスタッフに囲まれて透析をするのは、大変なストレスだろう。旅行に来たのだ、くらいに意識を切り替えられるといいのだが。 ちなみに透析は、通常、週に3日、1回4時間かけて行う。水は、ひとり1回につき120リットルが必要になる。腎友会(透析の患者会)の代表者が、行政に説明――災害時の行政の対応についてのお願いに行ったとき、担当者に、透析の人はそんなに水を飲むんですか? と聞かれたそうだ。 腎臓の機能が低下し、体の余分な水分や老廃物を排出できなくなると、人工透析を行う。具体的には、血液をダイアライザー(人工腎臓)に通し――膜の内側に血液、外側に成分調整された水(透析液)を流すことで、水や老廃物は外(透析液)、足りない成分は内(血液)へと移動する。そうやって、透析によって腎機能を補うのだが、これに1回120リットルの水(透析液)が必要なのである。 あまりに無知な担当者氏であったわけだが、東海大地震が懸念される静岡県でさえそうなのだから、おそらく行政に限らず多くの人が同じような認識でしかないだろう。透析が出来ないと命に関わるのだけれど……。 水と食べ物は2、3日分もあればいいという。これは大丈夫と思うが、火が使えない(かもしれない)ことを考えると、アウトドア用のコンロくらいは用意しておいた方がいいかも知れない。 が、いずれも生き残った後の話しだ。どうすることもできない揺れをしのげるかどうかは、運――といえばそうかもしれないが、目に見えない働きというものもあるのだろう、と思う。
おおみち礼治
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