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空虚な時間



修輔と別れた時間が、夕方の6時ちょっと過ぎ。

主人が帰宅するより前には、家に着きそうもない。

修輔と急に会う事になったから、主人の会社に電話をして

その日は友達と飲みに行く事にしてた。

主人が帰宅するより前に帰れれば

『今日じゃなくなった〜』で済む話だけど

そういうわけにもいかないから…。

一緒に飲みに行く事になっている友達は

仕事をしてる友達で、仕事が終わってから

飲みに行く事になってるし

それだったら、そんなに早く帰るわけにもいかない。

ある程度、時間を潰して帰らないといけない。

1人になって、そんな事を考えた時

どうしようもない脱力感に襲われた。



家の近くの駅で降りて、とりあえず喫茶店で軽く食べた。

脱力しちゃって、珍しく食欲もなかったんだけど。( ̄ー ̄;

お腹を空かせて帰るわけにもいかないし〜…。

1人で食事するのはラーメン屋さんとか

ファミレスじゃなければ、私はあんまり抵抗がないので

それほど嫌じゃなかったんだけど

1人だと、そうそう時間は潰せない。

仕方ないので、スポーツクラブに行く事にした。



とはいえ、運動する気にはとてもならなかったので

お風呂に入ったり、サウナに入ったり…。

夜、そんなに遅い時間のスポーツクラブには

行った事がなかったから、知ってる人もいなかった。

サウナに入ったり、湯船に浸かったりしながら


『私は何やってんだろ…。』


そればっかり頭に浮かんできた。

わざわざ主人の会社にまで電話をして

主人に嘘を吐いて、1人でご飯を食べて

時間をもてあまして、家に帰れずにいる。

ほんと、何やってんだろ…。

その時の気持ちは

『悲しい』とか『淋しい』とかじゃなくて

ただただ、『むなしい』

こんな空虚な時間を過ごす為に

私は嘘を吐いて、無理をしたのかと思うと

ほんとにやり切れないというか…

馬鹿だなと、つくづく思った。



結果的にそうなっただけ。

修輔だってきっと、仕事が入るかもしれないとわかっていたら

最初から誘わなかったかもしれない。

仕方のない事…どうしようもない事…

それはよくわかってる。

修輔に会いたくて、そういう選択をしたのは私。

修輔を責める(?)ような気持ちは微塵もない。





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2004年11月19日(金)

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