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瞬間的に



2人で抱き合ってウトウトしていた時

修輔の携帯が鳴った。

いつも目覚ましのアラームをセットをする時の

『キューピー3分クッキング』の曲じゃなかったから

私も、誰かからの電話なんだろうと思った。

修輔は電話に出て、しばらく話をしていた。



話の内容で、職場からの急用である事はすぐにわかった。

修輔は仕事の指示をしたり…

『どうしても今日じゃないと駄目なの?』

とか…

それが、予定されてた事ではなくて

ほんとに急な話だって事も

すぐ横で話している修輔の会話からわかったし…。

かなり長いやり取りをした後、電話を切った修輔は


『ごめん。

 どうしても職場に顔出さないと駄目みたい…。』



そう言った。



急な仕事なんだから、どうしようもない。

別に『え〜?』とも何とも思わなかった。


『そっか。すぐに出ないと?』


『ん〜…6時くらいに出れば間に合うかな…。』


1時間ほど余裕はあったけど、そうなると私も

早くしなきゃと、気持ちが焦ってしまって

バタバタとお風呂に入って帰り支度を整えた。



6時少し前にホテルを出て、駅で修輔と別れる。

私と修輔は、家の方角が逆なのでいつも反対の電車に乗る。

改札を抜けた所で


『ほんっとごめん。じゃ、またね。』


『ううん。またね。(笑)』←ひきつってたくさい…


そう言って、上りと下り、別々の階段を上った。



修輔と別れるまで、確かにがっかりした気持ちは

全くないってわけじゃなかったけど

それほど何も感情は沸かなかった。

ホテルでの電話のやり取りから、仕事だというのは

疑いようもなかったし…。

あれが、メールでのやり取りだったら

もしかしたら疑っていたかもしれないけど。( ̄ー ̄;

とにかく『仕方ないねー』って

それしか頭に浮かばなかった。





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そう思った時に、一気に冷めた。

いつもなら、今まで過ごした非日常の余韻を

思い出しながら、楽しみながら

少しづつ日常に戻っていく。

その時間が、瞬間的に戻った感じ…。



2004年11月18日(木)

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