つれづれ日記。
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2012年09月11日(火) アール・エドレッドの場合(仮)・13

「こちらに行けば大丈夫だと思います」
 ついてきてくださいと少女は歩みをすすめる。
「たぶん、魔力のせいだと思います」
「魔力が暴走しているってこと?」
「『魔力』と呼んでいいものかはわかりませんが」
「じゃあ君のいう『霊力』ってもの?」
「そう呼んでいいものか……」
 そう言って傍らにいる浄化の精霊に視線をうつすと、精霊はふるふると少女の影にかくれたまま首を横にふる。
「とてつもなくおおきな『何か』が満ちているみたいです。あなたの体には大きすぎて、通常の人間には無害でもそうでない者にとっては脅威となってしまう」
「それってさあ、コップが小さすぎて水が今にもあふれ出しそうってこと?」
「それに近い状態です。もしかしたら逆かもしれませんが」
 魔力なり霊力なり、とにかくとてつもないチカラに体が押し潰れそうになっているということか。
「あれ? こんどはどっちに曲がるんだっけ」
 ……こいつが?
「こっちです」
 きっと魔法使いには自分にはあずかり知らぬ領域があるのだろう。そう納得するとアールと青年、少女は歩き出した。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「ここかい?」
「そうです」
 青年の問いに少女はうなずきを返す。
「ここが霊園」
 ティル・ナ・ノーグ北西に位置する場所。それこそが青年の、リザ・ルシオーラの探し求めた場所だった。もっとも霊園と呼ぶよりも悪魔の巣窟と称したほうがしっくりきそうな感じではあるが。
 リザ・ルシオーラ。やはり目の前の青年は幽霊なのだろうか。






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