2012年08月19日(日) |
伊織の手紙−海より−(仮)・17 |
ユータスは背が高いだけのもやし男。本人を前に失礼だけどそんなことをずっと考えていた。でも実際は女の子一人を抱えて泳ぎきるだけの体力の持ち主だった。 悔しいけど、やっぱり男の子なんだ。 「重くない?」 人一人を抱えて泳いだ上にこうして横抱きで歩いているなんて。なんとなく気恥ずかしくなって聞いてみると重くないという返事が返ってきた。 「もっと重いと思ってた」 …………。 「この体格ならもっと太るべきだ。ニーヴ様だってあんなに綺麗な造形をしてる」 しかも人ではない存在と比べられてしまった。 「そういえば、初めて会ったときも小柄な男だと思った。女ならもっと凹凸のある造形であるべきだろ」 少しでも格好いいかもと思ったわたしが馬鹿だった。 「均整がとれているのはいいことだけど、像を造るとしたら致命的だ。だから体が貧弱に――」 「これ以上言わんでよか!!!」 身につけていたハリセンを使って。 相方は今日も元気に空の星になってしまった。
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こうして友達のおかげでわたしも女の子も一命をとりとめました。友人の言うとおりこれからは自分の体ももっと大事にしつつ医学の勉強に励もうと思います。 あと、相方にはもう少しデリカシーという言葉をしっかり脳内に刻んでもらおうと思います。
過去日記
2005年08月19日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,69UP 2004年08月19日(木) 乙女チックに 2003年08月19日(火) 化粧品
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