2012年05月21日(月) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)100 |
荷物に入れられたのは包帯や消毒液と言った基本的なもの。でもついてきなさいってどういうことなんだろう。治療であれば、先生の家でもある施療院で行えばいい。そこではできないことをするってことなんだろうか。 色々考えをめぐらせていると。 「ほら、ついたぞ」 先生が大きな建物の前で足を止める。一軒家にはまずない大きな門。そこにあるのは見たことのないような綺麗な紋様で。確かこれって、聖職者のものだったかな。 「……誰ですか?」 その門の前にいた男の人がぼんやりと目を開ける。 「イレーネ・グラッツィア。先に話はつけておいたはずなんだかな」 「グラッツィア……」 先生の名乗りに門番さんらしき人が首をかしげる。首を傾げたかと思えば目をつぶって何かを思案したようにも見えて。もしかしなくてもこれは。 「寝てる……?」 既視感を感じたのはなぜだろう。ううん、あの時は道で行き倒れていただけだ。初対面の人相手に腕輪の力を使うにはあんまりすぎる。仕方ないのであの時よろしく体を揺すってみるべきかと考えていると。 「フェッロさん、こんなところで寝ないでください!」 女の人の声がした。 「イレーネ様ですよね。お話は伺っています。どうぞ中へ。フェッロさんも早く!」 けだるさそうに門番さんが扉を開けてくれる。扉を開けると、そこには二つの巨大な像が出迎えてくれた。
過去日記
2011年05月21日(土) 「委員長のゆううつ。」STAGE2−1UP 2010年05月21日(金) 委員長のゆううつ。45 2005年05月21日(土) 歳を感じてしまう時 2004年05月21日(金) 「EVER GREEN」6−0UP
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