2012年03月20日(火) |
猫と魚の雨宿り(仮)・2 |
その日。外は雨が降っていて。 オレ、というよりも海霊(ワダツミ)にとって雨にぬれるという行為はあまり意味をなさない。本性は別にあるし、その本性自体が魚だしね。でも人間にとっては不可思議な行動に思われるらしい。オレとしてはそれはそれでかまわないけど、ここはヒトの流儀にのっとるということで、雨をしのげる場所を探してた。
『あ』 そこで出会ったのはピーコックブルーの瞳。しなやかな体と表現すべきなんだろうか。顔が半分くらいかくれる長めのフードをかぶってはいるけれど、その上からも体の線はみてとれる。そして、フードをはずせばオレらの天敵である獣の耳がのぞかせるということも。 「ヤーヤ、だったかな」 以前、ブランネージュ城に足を運んだときに出会った。 「どなたですの?」 まるで初めて対面したかのように目を細められる。ああ、そうか。彼女は『忘却』という代償と引き替えに精霊と契約したんだっけ。友人のシリヤが教えてくれた。『ついに我も人間と契約を交わすことになった』って複雑そうな表情でぼやいてた。 「人の顔をのぞき込むなんて、ぶしつけにもほどがありますわ」 もっとも当人は不機嫌そうにこっちをにらんでいるけれど。
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