2012年02月08日(水) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)・25 |
もしかしてと思って尋ねてみると、リオさんも精霊と契約した魔法使いであって、わたしより五つ年上。同じくらいだと思ってたから本当に驚いた。それも精霊と契約したからですか? って尋ねるとこれはもともとと笑われた。 「じゃあリオさんは刻印があるってことですよね。それって見ることができますか?」 何気なく尋ねてみると、それまで穏やかな表情を浮かべていたリオさんが急にかたまった。 「リオさん?」 なぜか明後日の方向を向いてる気がする。目をつぶって、こめかみに指をあてて。どんな精霊と契約したのか気になったからなんだけど興味本位で聞くことじゃなかったのかな。 もう一度名前を呼ぶと緑の瞳がぱち、ぱちと瞬いた。 「ごめん。見せれないってわけじゃないんだ。でも、ちょっと……」 「いいんです。ちょっと気になっただけだから」 なぜか言いよどむリオさんに慌てて首をふる。手品みたいに気軽に出せるものじゃないだろうし、制約もあるってさっき言ってたし。それよりも魔法使いなのに整体師という仕事をしていることが気になった。魔法使いならこんなところで働かなくても気軽に悠々自適な生活をおくれそうなのに。そう思って問いかけると魔法は全てが万能ってわけじゃないというさっきと同じ返答があった。 「それに、魔法だけにたよってるといざって時に何もできなくなるから。魔法はその人の本来の力をサポートしてくれるものって程度に考えた方がいい。 イオリちゃんは魔法使いになりたくて医学を学びに来たんじゃないよね? 病気や怪我で困ってる人を助けたい。その気持ちがあれば充分やってけるよ」 「そうなのかな」 なんとなくはぐらかされたような気がするけど。 イオリちゃんみたいな子がここで働いてくれたら心強い、今日はあいにく留守にしてるけど今度来たときに先生を紹介してあげるからまたおいで。そう言われて今日はその場を後にした。
過去日記
2010年02月08日(月) 「世界観構築における100の質問」その8 2005年02月08日(火) 流血 2004年02月08日(日) ちょっとしたプロフィール
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