2010年11月03日(水) |
クリスマス(仮)・3 |
「そういうリーハも買い物?」 「うん。そうなんだけど……」 あれ。おかしい。いつもは元気で明るいのにさっきまでとはうってかわったようにもじもじしてる。 「もしかして、クリスマスプレゼント?」 何気なく聞いてみるとうつむきがちだった白い頬に赤みがさした。 「そう、ね。プレゼント。そう、プレゼントなの」 赤い顔のまま、ぶつぶつと何かつぶやいている。 「ねえモロハ。せっかくだからあたしの買い物にも付き合ってくれない? モロハの買い物にも付き合うから」 肩をつかむリーハの力が強くてボクは首を縦にふるしかなかったわけで。 ついたのは学校のそばの大きなデパート。おっかしいなあ。そんなに歩いたつもりはなかったのに。 って言ったら『どこから歩いてきたの』って変な顔された。 「友達にプレゼント?」 「そう。いつも夜遅くまでがんばってるから」 デパートの中の洋服売り場。そこで二人の女子高生がああでもないこうでもないとにらめっこ。 「ほっとけないのよね。風邪ひかれたら大変だもの。いやになっちゃう」 言葉とは裏腹にプレゼントを選ぶ瞳は真剣そのもので。 「その人が好きな色とかないの?」 「そうね。青とか緑とか。でも赤も嫌いじゃないって言ってたかしら」 友達のプレゼント選びというよりもそれは。 「リーハ、ひとつ聞いてもいい?」 「たぶん背は同じくらいだから、あたしにあうくらいでいいのよね。ジャケットもいいけどお金が足りないし」 耳元でそこまで言われたらほぼ決まりだ。 「ああ、でも体格が違うからあたしにぴったりでもダメか。ん? なに? モロハ」 「プレゼントの相手ってもしかして彼氏さん?」 確信をこめて尋ねると、とうとうリーハの顔がゆでだこになった。
過去日記
2006年11月03日(金) 「EVER GREEN」10−11UP 2004年11月03日(水) いえ、つい。 2003年11月03日(月) そっか。今日は……。
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