つれづれ日記。
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2010年07月12日(月) 委員長のゆううつ。その2−42

 自分の声で目が覚めることってあるものなのね。
 妙なところで自分自身に感心する。時間は早朝六時。いつもの習慣で洗面と歯磨きをする。歯ブラシはあらかじめ持ってきておいた。
「少しは元気でたかい?」
「おかげさまで」
 一緒にいてくれたマリーナさんに頭を下げる。
「礼ならそいつにも言ってやりな」
「言葉通じるんですか?」
 霧海(ムカイ)ふうに言うなら海獣って呼ばれる獣。見た目は狼だけど仕草はなんとなく犬っぽくて。問いかけの視線を向けると言わないよりは言ったがいいだろとのこと。確かにこの子にはお世話になったんだ。それぐらいはやらなきゃ。
「ありがとう」
 腰を下ろして。獣の体にぎゅっとしがみつく。怖くないかと聞かれれば嘘になるけど、狼の体からはお日様の匂いがした。本当に犬だったらキスでもしてあげたいところだけど今のあたしはこれが精一杯だ。
「それで。あたしはこれからどうしたらいいんでしょう」
 狼から人魚さんに視線を変えるとマリーナさんは笑みを浮かべた。
「本当に回復したみたいだね」
「いつまでも落ち込んでられませんから」
 落ち込むときは落ち込んで、後は浮上する。引きずってるのは時間の無駄。とっとと反省してちゃっちゃと次に進む。それがあたし、委員長のやり方だ。






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