2010年05月27日(木) |
委員長のゆううつ。その2−2 |
違和感がないのには理由がある。まずは髪。銀色のそれは月明かりに映えてきれい。あたしの学校じゃ目立っていたけど。異世界となると話は別で。 別といえば、リズさんの髪は藍色でカリンくんは黒髪。あたしは黒髪だけど、 同じ色でも漆黒と墨色じゃわけが違う。髪の色だけでこれだけバリエーションがあるのも珍しい。 そういえば、ここに月ってあるのかしら。 「先輩。ここって月あるんですか?」 思ったことを口にすると、先輩はすぐ応えてくれた。 「冰(ヒョウ)だよ」 「ヒョウ?」 「ここから見えるでっかいあれが、氷の塊なんだってさ。 氷なんだから溶けて当然なんだけど。あまりにも大きいから半分しか溶けきれなくて、霧のまま地上に降りてくるわけ。ここ来たときって真っ白だったでしょ。それってこういうからくりだったわけ」 ちなみに霧が発生しているときに太陽が出ていると、氷の結晶が日光を散乱して輝いて見えるらしい。それで周りが光ってたわけか。納得した。 あと、もう一つの惑星の月は『昇華(ショウカ)』って言うらしい。そういえば、三つとも衛星の呼び名は違うのに太陽って言葉は共通なのね。なんか変なの。 「あたし、本当に別世界に来ちゃったんですね」 あらためて現実を突きつけられて。何度目ともつかないため息をついた。
過去日記
2006年05月27日(土) 「EVER GREEN」9−2UP 2005年05月27日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,57UP 2004年05月27日(木) SHFH12−2
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