2010年04月05日(月) |
委員長のゆううつ。4 |
時間は少しさかのぼる。 ――って、正確にはそんな大げさなものじゃないけど。 「詩帆(しほ)。しーほ」 声をかけられたのはお弁当を食べ終わった後。 「どしたの?」 「あそこの先輩かっこよくない?」 あそこ。 お弁当箱を片付けながら、友達の視線を追う。窓の外。校庭にいたのはこの学校には珍しい容姿をした男子生徒だった。 「プラチナブロンドって生で初めて見た」 銀髪とも言うけど。 わたしと同じ学校の制服を着た銀髪の男子は校庭の芝生の上に寝転んでいる。 「この学校って交換留学生とかあったんだ」 「外人の先生がいるくらいだからいるんじゃない?」 確かに。公立の中学校でさえ外国の教師が授業をすることだってあるのだ。高校で外国人の先生や生徒がいても今の時代、それほど珍しくないのかもしれない。 ……ん? 「なんでかっこいいってわかるの」 男子は寝転んでいた。寝転ぶっていうのは目をつぶっているということ。 正確には男子は校庭でわたし達がいるのは二階の教室。よほど視力がいいならいざしらず、窓の外からは大まかな外見しかわからない。 「先生がかっこいいんだから生徒もかっこよくなくちゃ」 「ふうん……」 このときのあたしは、さしたる感慨もなく友人の声に耳を傾けていたのだった。
過去日記
2007年04月05日(木) オリキャラメイキングバトン。SHFH編 2006年04月05日(水) 成分分析 2004年04月05日(月) 未だに出会いなし
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