SkyHigh,FlyHigh!
Part,11−8
「うすうす気付いてた。お前がここの人間じゃないってことに」 「え……」 知ってて、旅をしていたの? 「記憶喪失ってのも怪しかったからな」 「それはショウが勝手に勘違いしたんじゃ……」 「……そうだったっか? とにかくだ」 一つ咳払いをすると、黒い瞳をまりいに向け話を続ける。 「さっき言ったことを全部信じたと言えば嘘になるけど、俺達はお前のことを化け物扱いしたってわけじゃないんだ」 「そうよ! シーナはアタシにとって大切な『仲間』なんだから」 「……私、ここにいていいの?」 「当たり前でしょ? アタシは護衛の任を解いた覚えはないわよ」 「……だそうだ。まあお前が嫌なら話は別だけど」 嫌なわけ、ない。 「…………」 泣くのは嫌いだ。足でまといになってしまうから。いらない子だと思われたくないから。 だけど―― 「……っ!」 まりいは、この世界で始めて涙を流した。 二人にしがみついて、幼い子供のように大声をあげて――
過去日記
|