SkyHigh,FlyHigh!
Part,11−5
「お待たせ」 「……誰?」 背後に現れた人物に、なんとも間抜けな返事を返す。 「誰って――」 「シーナに決まってるでしょ」 シェリアの言葉にショウは絶句していた。 「可愛いでしょ。アタシもびっくりしちゃった。こんなに可愛いなら髪下ろしとけばいいのに」 「だって旅をするのには邪魔になるし……」 水色のワンピース。所々に刺繍がほどこしてあるもシンプルな形のそれは、まりいによく似合っていた。 「……馬子にも衣装」 それだけ言うとショウはそっぽをむいた。 もう少しまともな服も買ってやるべきだった。そんなことを思いながら。 「ショウ!」 「いいの」 今はそんなことを話しているんじゃない。もっと大切なことを話さなければいけないから。 「それで? これから話すんだろ?」 顔を元にもどし、まりいをじっと見つめる。 「うん……」 しばらく目をつぶり、ゆっくりと目を開ける。 「私は、この世界の人間じゃありません」
過去日記
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