SkyHigh,FlyHigh!
Part,11−1
チ、チチ……。 鳥のさえずりの音がする。 「シーナ!」 「お願い、目を開けて!」 二人の声がする。 「……シェリア?」 二人の見守る中、まりいはうっすらを重いまぶたを開けた。 「よかった。心配したんだからっ……!」 「シェリア、一体どうしたの――」 「それはこっちのセリフ」 急にシェリアにしがみつかれ、そのうえ泣かれてしまい、まりいはおおいに戸惑っていた。さらに追い討ちをかけるように残りの一人が言葉を続ける。 「シェリアが血相変えて『シーナがいなくなった』って言うだろ。それで――」 ようやく、まりいは全てを思い出した。 湖に行ったことも、水の精霊にあったことも。 この世界が夢なのか現実なのか。それは結局わからずじまいだった。 だけど―― 「シーナ? 顔色が悪いぞ」 「本当。早く休まなきゃ」 二人が私のことを心配してくれている。それを嬉しく思っている自分は――確かにここにいる。これは、きっと現実なんだ。
過去日記
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