SkyHigh,FlyHigh!
Part,10−1
夜中であるだけに、周りは静まりかえっていた。月の光が湖面を優しく照らしている。 「きれい……」 まりいは感嘆の声をもらした。 もっと小さなものを想像していた。 でも予想に反してそれはとても大きなものだった。 「…………」 服をたくしあげ、足を湖面にひたす。夜中だけあって少し肌寒くはあったものの、その冷たさが心地よかった。 「…………」 しばらく水遊びを満喫しているも、ふいに彼女の表情が曇っていく。
私、このままでいいのかな――?
これは自分の夢なのだからと言ってしまえばそれまでだ。 でもあの言葉が気にかかる。 『ならば、扉を開きましょう。あなたに翼の民の祝福のあらんことを』 扉って何? 翼の民って何なの? 『きっかけを与えたにすぎません』 きっかけは、確かに与えられた。でも私は何も変わっていない。
過去日記
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