SkyHigh,FlyHigh!
Part,8−1
「その石はね、アクアクリスタルと言うの」 「アクアクリスタル?」 そんな名前の石、見たことも聞いたこともない。まりいは首をかしげる。 「見てて」 ペンダントの石の部分にコップに入った水をたらす。 そのとたん、石がまばゆい光を放った。 「綺麗……」 「でしょ? ミルドラッドでしかとれない宝石なのよ?」 「ミルドラッドだけでしかとれない?」 「そう。ミルドラッドはね、カザルシアで最も水が豊富な街なの。水があるところには自然と人も集まる。だから別名『水の都』とも呼ばれているの」 「そうなんだ……」 何もかにもはじめてのまりいは、シェリアの言葉にただうなずくしかない。 「この石にはこんな言い伝えがあるの」 そう言うと、シェリアは目を閉じ、静かに語り始めた。
二人の若者が水を求めてさまよっていた。 そのうちに一人が倒れてしまった。 残されたもう一人の若者は、必ず戻るといい、一人で水を探し続けた。 けれど、その若者もついに力尽きてしまった。 『ほんの少しでもいい、もう一人の者に水を』死の間際、若者はひたすら祈った。 すると、全てが青の女性――水の精霊、アムトリーテが現れ、倒れていた若者に口付けをした。 不思議なことに、若者はそれで乾きを癒やすことができ、生気をとりもどした。 だがそこにはアムトリーテの姿はなく、かわりに一つの石があった――
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うわー。本当に久々です。 第一部もそろそろ続きを書かないと本気でやばいなー(遠い目)。
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