紅い猫の落とす影 生きた記録|夕方|明け方
寒いの嫌いな僕はお家でお留守番。 窓から外を覗く。 いつもなら遠くの方に山が見えるのに 今日はそんな山は勿論 近くのビルでさえ雪が覆い隠す。 東京に雪が積もるほど降ることも少ないのに 12月にこんなに大雪なのは何時以来のことだかなんて 僕の記憶にはなくて 特別な日のようなドキドキ感もあって 外に出てくるくる駆け回りたいけど 巡る季節の中でいちばん苦手な冬の寒さに 立ち向かう勇気はない。 空を舞うカラス。 優雅に羽根を伸ばし気持ちよさそうに飛んでいる。 何で僕は人間なんだろう。 もしカラスだったら 寒いのなんて気にせずに この雪の日を満喫出来るのにな。 なんて思いながらぬくぬくのこたつに潜る。 でも僕はやっぱり 雪を満喫するカラスよりも こたつを満喫する猫の方がいいや。
傀儡
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