日だまりに咲く

2003年05月24日(土) 大喧嘩

久々に派手な夫婦喧嘩をした(^-^;
きっかけは些細なことなのですが...。
事の発端は彼がDVD録画しておいた番組を
私が誤って消してしまったことから始まりました。

DVDレコーダーって、どんどん録画できるのはいいけど
見たものから順次消していかないとハードがすぐにいっぱいになっちゃう。
そんな事情もあって、見終えた番組や録画ミスなどは
こまめに消すようにしているんです、私。

昨日もその消去作業をしていたんですけど、録画リストの中にひとつ
海外の連ドラが途中から録画されているものがあって、
内容を10分程先まで確認してはみたんですけど何なのかわからず、
てっきり録画ミスだと思って消してしまったのです。
そうしたらその録画、ドラマの後に
初期の「機動戦士ガンダム」が入っていたそうで...
彼はそれを週末の密かな楽しみにしていたとのこと。
「ごめんね、録画ミスだと思って消しちゃったの。
 アニメが後に入ってるなんて知らなかったんだもの。
 消えてしまったものは今さら言っても
 元に戻せないんだから仕方ないでしょう?!」
キッチンで食事の盛り付けをする私が言った言葉に
彼の機嫌は極端に悪くなり、大声で怒り始めました。
「誰が消してくれって頼んだんや!消してくれ言うたか?
 何でもかんでも勝手にさわるな!」<関西の人です(^-^;>
普段はとっても温厚で気の優しい人で、めったに怒ることはありません。
が...仕事の疲れと空腹と楽しみを奪われた悔しさと
様々な要因が折り重なって、怒りを押さえられなかったのでしょう。

DVDレコーダーの操作って、パソコンと同じで
ボタン操作ひとつでリストの消去が簡単に出来てしまうんですよね。
消したデータの復帰はできないし、消えてしまったのなら
録画し忘れたくらいに思って「今度から気を付けてな」程度で
簡単に済む話だと思っていた私は、消したことに非はあったとしても
彼のその言動に妙に腹が立ってしまって素直に謝ることはしませんでした。
「あ〜、そんならもう二度とさわらんわ!
 たかだかアニメの再放送録画を消したぐらいで
 いつまでもネチネチ言うなんて、器の小さな男やね!」
<喧嘩の時は私も関西弁だったりします(^-^;>

彼の大好きな冷し中華を...と彩りを考えて盛り付けていた私は
盛り終えたお皿と、箸とビールを持って彼の前に行き
テーブルの上にドスンッと置いてキッチンへ戻りました。
他にアレコレ出そうと考えていたおかずはすべて取り止めです(笑)
私、喧嘩事だけはやけに負けん気の強いヤツなんです(^-^;

「なんや、その出し方は!!こっちは仕事して帰ってきてんねんぞ!」
「知っとるわっ!!(9 ̄^ ̄)9 」
「消してごめんくらい言えんのか!」
「一番最初に言いましたぁ!!消えたもんは仕方ないやろ、ガタガタ言いなや!!」
「仕方ない?なんでそっちが開き直るんや」
「開き直りとちゃうやろ。消えてしまったものは戻されへんやん」
リビングとキッチンとで大声で喧嘩です。
子供達が傍にいて心配そうに様子を伺っているので、ちょっと心が痛みます。

(ムカツク〜〜〜ッ)
内心そう思いながら黙々と洗い物をしていると、突然彼が
リモコンを床に投げ付け、ガーッとテーブルを蹴飛ばしました。
私はそれを無視して流しに目を向けたままでいたのですが、
「あ〜ぁ、こぼしちゃった」
子供達の声にふと顔を上げると、カウンター越し
ソファーに不愉快そうに腰掛けた彼と無惨な形に壊れたリモコン
蹴り飛ばされたテーブルとテーブルから落ちて床に散乱した冷し中華が
私の目に飛び込んで来ました。
ふてくされた彼はそれを拾うでもなくまだブツブツと言っています。

食べ物を粗末に扱った!!それが許せませんでした。
物を叩き付ける、足蹴にする!!物にあたる行為、私そういうことは大嫌いです。
彼の大好物だからと揃えた食材も、
目を細めて喜ぶ彼の笑顔が見られるからと一生懸命作った時間も、
怒りに任せた彼の軽率な行動ひとつですべてが無駄になりました。

その光景とその思いに
「食事の出し方悪かったな。消したのは私が悪いんだし...謝ろうかな...」
そんな心の中にちょっとだけあった反省の気持ちは一瞬で吹き飛びました。
駆け寄り、彼の足下に広がった麺や具を手にした私は、
片付けるよりも先に、2度3度
彼の顔めがけ思いきり投げ付けてやりました。
床に落ちてしまったものはもう食することはできないですからね。
どうせ捨てるなら思い知れ!!って気分です。
いくら腹を立てているからといって、こんなやり方許せない!!
頑張って作ったのに!!喜ぶと思って今日はコレにしたのに!!
リビングの壁に床に、散々飛び散って悲惨な状態になりました。
投げ付けるのは私、掃除するのも私。
(いいや、やってやれ!!)
そんな思いだったと思います。
「過失で消してしまったものは『仕方ない』でしょう?違う?
 落ちる事わかってて蹴り飛ばす行為の方が『確信犯』じゃない!!」

タオルを絞ってリビングの散った食材を片付けながら
情けなくて悔しくて、涙が止まりませんでした。
...どっちもどっちだと思うんです。
穏やかに話せば穏やかに終わる事なのに、互いに声を荒げて喧嘩して。
ことはほんのささいな事で、何もそんなことくらいで...と。
でも怒りのツボにはまっちゃったんですね、ふたりとも。
彼は謝るでもなく、床に落ちた麺を拾って片付け
2階に黙って上がって行きました。きっとそのまま寝室で不貞寝です。

私は全体の片付けをしながら、子供達に
「出かけるからお支度して」と促し
洗濯を済ませ、気分転換に家を出る事にしました。
ただ、何も食べずに寝てしまった彼が
後々お腹を空かせて降りてくるだろう事は予想がついたので、
さすがに何もナシでは可哀想だと思い
簡単に焼そばとおにぎりを作って手紙を添えて置いておきました。

『出掛けてきます。今日は戻るつもりありません。
 録画を消したことは謝ります。
 ただ故意にやった事ではない点、理解して下さい。
 食事は作り直しておきました。
 お腹が空いてると思うので、嫌でなければ食べて下さい。
 また、お風呂はつけておきます。
 冷やし中華のタレはベタついて気持ち悪いでしょうから洗い流して下さい。
 実家へ帰るようなことはないので、電話などなさらないように!』
あえて感情を入れずに書きました。
テーブルにラップを掛けた食事を並べ、置き手紙にお金を添えておきました。
そうして黙って家を出たのです。

車に乗り込んだ私は、不安にさせてしまった子供達にまず謝ってから
(何をすれば喜ぶだろう...)と考えました。
「どこ行くの?」
訪ねる子供達に「じいちゃんばあちゃん家でも行こうか」と提案しました。
(私の実家ではありません。彼の実家のことです)
愛知から兵庫まで、車で3時間くらいの距離ですが
昼近くから出て、着くのが夕方なら
多少遊んで帰宅したとしても当日中には戻れません。
わかっていて言ってみました。
子供達は義父母が大好きです。
喜びが大きければ両親の喧嘩で不安になった気持ちも
かき消してしまうのではないかと思ったからです。
向こうに着いても、喧嘩した事は一切言わず
今日は彼が夜勤明けで寝ているからと言えば
理由として通らないわけではありません。
孫の顔が見られれば、それはそれで喜んでもらえるので
長距離運転も苦じゃないと思いました。

家を出て約1時間、もうすぐ豊田インターに入る
ということろで携帯メールが入りました。
彼からでした。

『話したい事がある。さっきは悪かった。
 最近、仕事で器を少しでも広げようとしていた所だったので
 小さいと言われカッとなってしまった。
 今おにぎりを食べながら、ruruの方がはるかにでかい事がわかった。
 ほんまに悪かった。
 良かれと思ってやってくれたものを
 あんな言い方ですまんかった。
 今すぐでも帰って来て欲しい』

冷静に対応できなかったこと、大人気なかった自分を反省しました。
彼からの言葉が届いた事にホッとしました。
意固地になって素直になれなかった自分に涙が出ました。
インターには入らず、直前の交差点で自宅の方角へ方向を変えました。
子供達には行けなくなったことを告げ、了解を得て、
心配させ、不安をあおった夫婦喧嘩のお詫びに
前々から欲しがっていた玩具をひとつづつ与える約束をして
途中お店に立ち寄り購入して帰りました。

ほんの3時間程のプチ家出になってしまいましたが、
帰宅後は互いに今日の出来事を反省し謝って仲直りをしました。

時々彼が、数時間前の喧嘩した事を思い出しては
「あの時は凄かったなぁ」と大笑いしています。
互いに言いたい事いい放題で、喧嘩をすれば傷付きもするけれど、
仲直りした後に思う事はいつも
(時々はこれくらいやったほうがいいのかも...)ですね(笑)
過度のストレスも一気に解消されたので、今日の喧嘩は結果オーライとしておきます。


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里伽 [MAIL]